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コロナ禍で地方回帰は大ウソ!? 何も変わらなかった「東京だけが勝つ」構造

天田浩平(株式会社エイマックス代表取締役)

2021年04月15日 公開 2022年10月06日 更新

リモートワーク・補助金対策は行われるが…

コロナ禍で東京一強の動きが鈍くなったことを受け、国や自治体ではこれを機に地方移住を加速化させたい機運は高まっているが、一方で地方は仕事の数や質、利便性が都心に比べるとやはり劣りやすい。

頼みの綱は東京の会社に就職しリモートで仕事を済ませ、地方に居住を構える人を増やすことだが、若い層ほど都心を好む傾向もあって、なかなか移住にまでは踏み切らない人が多数だ。

不動産購入を考える人たちの間では、たまの出社時の負担も減らしたいと、以前よりも東京23区内に住みたがる傾向が見受けられるようになってきた。東京オリンピックの開催の見通が立たなかったこともあり、都心人気の下落がマスコミを中心に囁かれているが、不動産業界はそうはみていない。

コロナに限らず東日本大震災・リーマンショックという経済危機・震災という大騒動の時でさえも、騒動が落ち着くとすぐに都心から人が戻ってきた事実がある。感染症対策であるワクチンの摂取が進み、ウイルスへの恐怖も薄らぎつつある今、まさに都心回帰が起きている最中なのだ。

コロナ禍で不幸中の幸いとなるはずだった地方回帰も現実には起きなかった以上、今後、地方都市はさらなる過疎化にさらされることは、これまでの人口移動のデータから見ても間違いない。東京のみ一人勝ちの構造から抜け出せる兆しは、まだどこにも見えていない。

 

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