「減塩」も「コレステロールカット」も! 危険ワード5
2022年11月25日 公開 2024年12月16日 更新
「健康にいい」という言葉、そのまま信じてしまって大丈夫ですか?
※本稿は、「PHPからだスマイル(PHPくらしラク~る♪増刊)」5月号特集「じつは老ける食べ物30」より、一部を抜粋編集したものです。
「本当の健康」とは?
研究が進み、体にプラスとなる成分や健康にいい食べ方などについて新しい情報が次々と明らかになってきました。
しかし、「◯◯が体にいい」といっても、たとえば7割の人には当てはまるかもしれませんが、そうではない人も3割いるかもしれません。自分がその3割だとしたら、お金を無駄にすることになります。
私が特に懸念しているのは、たとえば血圧にしてもコレステロール値にしても「高い」ことばかり問題にされ、「低い」ことの危険性への関心が薄いことです。じつは、塩分などは年齢が上にいくほど、「足りない」ことが問題なのです。
ここで紹介する「危険ワード」をチェックすれば、きっと「本当の健康」に近づけます。
危険ワード1:低塩・減塩
年齢が上がるほど、塩分の「摂取不足」が心配。最悪の場合、命を危険にさらすことに。
高血圧症の予防には、塩分を摂りすぎないことが大切。しかし、「健康のために」と減塩の必要のない人まで「低塩・減塩」の食品に手を伸ばすのは危険です。
とくに、高齢者は要注意。腎臓には、余分な塩分(ナトリウム)を排出し、逆に塩分が少ない場合には溜めておく機能があります。
ただ、加齢によりこの機能が衰えるため、やみくもに減塩すると塩分が不足。その結果、食欲減退や疲労感が生じ、もっと進むと頭痛や錯乱状態を引き起こす「低ナトリウム血症」という状態に陥ることも。ひどい場合には、昏睡状態に陥る危険性があるのです。
日本人の平均食塩摂取目標量は1日あたり約8グラム。この量を目安に、塩分の摂りすぎはもちろん「塩分不足」にも気をつけましょう。
危険ワード2:コレステロールカット
コレステロールはやや高めの人のほうが長生き。低すぎるとガンのリスクが高まります。コレステロールは心筋梗塞のリスク要因ですから、コレステロールを減らせば心筋梗塞の危険性が減るのは確かです。
しかし、コレステロールには別の一面があり、その値が高いほどガンのリスクが少なくなるというデータがあります。
日本人の死因の第1位はガンで、ガンで亡くなる人の数は心筋梗塞や脳梗塞のそれを合わせた数より多いのです。ガンを防いで長生きをするには、コレステロールは「やや高め」のほうがいいのです。
また、コレステロールはうつ病を抑制する可能性があるというデータもあります。日本人の20代、30代では男女ともに自殺が死因の第1位。自殺はうつ病と密接に関連していますから、心を健やかに保つためにもコレステロールは下げすぎないことが大切なのです。