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相手を気持ちよく納得させ、いい結果を導く“説明”

小宮一慶(経営コンサルタント)

2012年06月14日 公開 2022年12月27日 更新

小宮一慶

相手からの質問があることを想定して準備する

相手に説明をする際に、想定される質問事項に対しての答えを、あらかじめ準備していますか。

例えば、上司に売り上げ報告をするとします。その際、上司は前年同期の数字ぐらいは聞いておきたいと考えることでしょう。そうしたことについては、事前にその資料を用意しておくか、プレゼンテーション用の資料のなかに数字を書き加えておくことが、最低限の準備として必要です。

それさえも思いつかないというのは、少々問題です。会議で質問されて、「調べておきます」と答える人をよく見かけます。しかし、そのなかには想定して、準備しておいて当然の質問に対しても答えられない人が少なくありません。

際限なく質問を想定しろとは言いませんが、先ほどでいえば前年同期の売り上げぐらいは高い確率で尋ねられると認識しておくべきです。もっといえば、そういうことに興味のない人が提案していることに疑問を感じる人もいるのです。

自分の言いたいことを伝える準備に、一生懸命になっている人がいます。説明さえ完璧にできれば、相手は何も言わずにそれを了承するだろうと考えているのでしょう。

繰り返しますが、理解してもらうことと、納得してもらうことは別です。相手は自分とは異なる思考パターンをもっているかもしれません。そうすると、やはり様々な質問が出てくる可能性が十分にあるわけです。

もし相手に質問されて、それに答えられなかったら、相手は、なんだ、その程度のものか、十分に考えていないのではないかと疑いを抱くことになります。せっかく、きちんと伝わるように説明しても、その努力がムダになってしまいます。

ただ、若いうちは、経験も少なく、論理的思考力の問題とは関係なしにものごとの関連性が分からず、想定される質問に思いいたらないこともあります。

そこで、先に同僚や先輩相手に、同じ説明をして、リハーサルをしてみましょう。説明を聞いた同僚が、疑問に思ったところ、さらに知りたいと思ったところを聞いて、それに対しての答えを準備しておきます。そうすれば、きちんと準備ができるはずです。

 

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