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電卓に隠された「2220」のミステリー

桜井進(サイエンスナビゲーター)

2012年10月05日 公開 2022年12月01日 更新

秘密は「電卓の回転」にある

電卓の数字キーを使った3桁の足し算の答えが、いずれも「2220」になることを確かめました。そして、紙に書いて分類してみることで、その理由は明らかになりましたね。

筆算すると、縦方向に並ぶ数は「1、3、9、7」「2、6、8、4」「5、5、5、5」 の3種類のグループのどれかになっています。

さて、これらの他にも、答えが「2220」になる足し算は存在するのでしょうか。実は「足し算の秘密」がわかれば、もっとたくさんの例をつくることができます。

その秘密は「電卓の回転」です。

はじめに、「1~9」の9個の数字の中から、好きな数字を3つ選んで3桁の数字をつくります。同じ数を選んでも構いません。このとき、3つの数字キーの場所と順番を覚えておきます。

次に、電卓を時計回りに90度回転させて、最初に選んだ数字と同じ場所と順番で、次の3桁の数をつくります。これを繰り返して4つの数を作り、すべて足し合わせます。

例えば「168」で試してみましょう。3桁の数字は「168、384、942、726」となり、その和は「2220」になります。これまでに紹介した「角」や「辺の真ん中」などの計算例も、同じ方法で得られます。

それでは、9つある数字キーを、「5」を中心に時計回りに90度回転させてみましょう。実は、次のルールで数字が現れてきます。

「1、3、9、7」は「1→3→9→7→1」の順、「2、6、8、4」は「2→6→8→4→2」の順、「5」は「5→5→5→5→5」の順です。これは先ほど分類した3種類のグループですね。

つまり、電卓の数字キーのもともとの配列によって、これらの足し算の答えは常に「2220」と決まっていたのです。

たくさんの例を電卓で確かめてみましょう。秘密はすっかり解き明かされましたが、実際に電卓で足し算をしてみると、ふしぎな数字の世界に迷い込んだような気がします。

 

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