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実践する人の6割がZ世代? 現代人に「ジャーナリング」が不可欠な理由

pure life diary編集部

2025年05月09日 公開

実践する人の6割がZ世代? 現代人に「ジャーナリング」が不可欠な理由

デジタル全盛の今、なぜ手書きの習慣が注目されるのでしょう。スマホが手放せないZ世代を中心に、「ジャーナリング」が広がっています。これは、頭の中の思考や感情を自由に書き出し、自分と対話することで心を整える方法です。科学的にもストレス軽減や幸福感向上などの効果が示され、実践者からはメンタル安定や目標達成への寄与も聞かれます。

その魅力と効果、始め方や続けるコツを解説します。

 

デジタル時代に広がる自己との対話習慣

年齢別ジャーナリングの実践の割合

スマートフォンの普及により私たちの生活が急速にデジタル化する中、意外にもアナログな「書く」という行為が若い世代を中心に広がりを見せています。

最近人気の「ジャーナリング」という習慣を実践しているうちの約6割はZ世代。(feppiness株式会社調べ)

 

ジャーナリングとは? “書くこと”が心を整える

ジャーナリングとは、自分の気持ちや思考、出来事などを日記やノートに自由に書き出す習慣のことです。To Doリストのようなタスク管理とは異なり、目的は「自分を見つめ直すこと」。特定のフォーマットやルールはなく、「今日嬉しかったこと」「今考えていること」「こんな自分になりたい」など、自由に書くことが基本です。

 

科学的にも裏付けられた効果

心理学の分野でも、ジャーナリングの効果は注目されています。たとえば、ポジティブ心理学の権威であるマーティン・セリグマンらが2005年に発表した3つの良いことを書くと幸福感を持続的に高め、抑うつ症状を軽減するという発表は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

その他にジャーナリングは、ポジティブ感情を高める、人生の満足度向上、ストレス軽減、自己肯定感やレジリエンスの向上などに寄与するなど様々なエビデンスが出ています。

 

Z世代がジャーナリングに惹かれる理由

ジャーナリングを続けている理由

Z世代は、デジタルネイティブであり、情報リテラシーが高い世代です。彼らはSNSを通じてたくさんの情報に触れる一方で、他人と自分を比較するのが当たり前になり、その結果多くのストレスや不安を抱えながら生きています。

このような背景から、Z世代にとってジャーナリングは自分を整えたり、大量の情報やスマホの通知から離れ、自分の考えを整理するのに役立っています。

実際にジャーナリングを実践中の人にジャーナリングを続けている理由を聞いたところ、1位は「メンタルが安定する」で40.9%、次いで「目標達成に役立つ」40.0%、3位「自分の考えを整理できる」39.1%という結果でした。

ジャーナリングによって感じた変化

ジャーナリング経験者にジャーナリングによって感じた変化を聞いたところ、1位は「目標達成がスムーズになった」30.2%、次いで「感情をコントロールしやすくなった」29.4%、3位「ストレスが減った」27.8%という結果でした。

自分を整える以外にも目標達成にも役立つと感じている人も多く、継続の後押しをしています。

 

多様化するジャーナリングの形式

ジャーナリングと一口に言っても、その方法は多岐にわたりますので、自分に合ったスタイルを見つけることが重要です。ジャーナリングの形式についていくつか紹介していきます

 

モーニングページ:朝起きてすぐに3ページ分、何でも思いつくままに書き連ねる方法。創造性を高める効果があるとされています。
※出典 ジュリア・キャメロン 著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(原題:The Artist Way)

感謝ジャーナル:その日感謝したことを書き出すことで、ポジティブな心理状態を育みます。

目標設定ジャーナル:目標や計画を書き出し、進捗を追跡することで、自己効力感を高めます。

バレットジャーナル:アメリカのデジタルプロダクトデザイナー、ライダー・キャロル氏が考案した手帳術で、箇条書き(バレット)を使ってスケジュール、タスク、アイデアなどを整理・管理するシステム。

アートジャーナル:絵や写真、コラージュなどを取り入れた視覚的なジャーナリング。言葉だけでは表現しきれない感情を表現できます。

TO BEジャーナル:やらなきゃいけないTO DOリストではなく、ありたい自分から考えるTO BEリストなどで行うpure life diary式のジャーナリング。

 

ジャーナリングの始め方と続けるコツ

ジャーナリングを始めるにあたって、特別な道具やスキルは必要ありません。ノートとペンがあれば、誰でもすぐに始めることができます。

【始め方】

  1. 1,書く時間と場所を決める
    毎日決まった時間に数分でも良いので、書く時間を作りましょう。リラックスできる静かな場所を選ぶと、より集中できます。

  2. 2,書く内容を自由に決める
    その日にあった出来事、感じたこと、考えたこと、目標、夢など、何でも自由に書いてみましょう。「何を書いていいかわからない」という場合は、「今日の気分」「最近気になっていること」「感謝したいこと」など、いくつかのテーマを決めておくと書き出しやすくなります。

  3. 3,形式にこだわらない
    きれいな文章である必要はありません。箇条書きや単語だけでも構いません。大切なのは、自分の内面をありのままに表現することです。

  4. 4,デジタルツールを活用する
    手書きに抵抗がある場合は、ジャーナリングアプリなどを活用しても良いでしょう。

 

【続けるコツ】

  1. 1,完璧主義にならない
    毎日書けなくても、自分を責めないことが大切です。書けない日があっても、また書ける時に再開すれば大丈夫です。

  2. 2,目的を持つ
    何のためにジャーナリングをするのか、目的を意識することでモチベーションを維持しやすくなります。「ストレスを軽くしたい」「自己理解を深めたい」など、自分なりの目的を持つことが大切です。

  3. 3,定期的に振り返る
    書いた内容を定期的に読み返すことで、自分の変化や成長を実感することができます。過去の記録から新たな発見や学びを得ることもあるでしょう。

  4. 4,他の人と共有する
    抵抗がなければ、書いた内容を信頼できる友人や家族と共有することで、新たな気づきを得られることがあります。SNSなどで匿名で共有するのも一つの方法です。

 

ジャーナリングを通して自分らしい生き方を

Z世代の若者たちが実践するジャーナリングは、単なる流行ではありません。情報過多、デジタルツールにより常に他者とつながったり比較される社会、不確実で不透明で変化の速い時代に生きる未来への不安――これらの課題や不安に立ち向かうために、ジャーナリングは自分の心の声に耳を傾け、自分自身と深く向き合うための大切な時間になります。

紙とペン、あるいはデジタルツールを通じて、自分の内面と対話する時間を持つことは、心の健康を守り、自己成長を促しウェルビーイングに寄与します。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

執筆:本橋へいすけ(feppiness株式会社代表取締役)

著者紹介

本橋へいすけ(もとはし・へいすけ)

pure life diary開発者/ライフコーチ/コンサルタント|

大学卒業後、ギタリスト、外資系保険会社、国内大手保険の総合代理店で営業、教育、100人規模のマネジメント業務など経験。2018年にフリーランスのSNSマーケターとして独立。SNSやビジネス全般のコンサルティングをするなかで、本質的な限界を感じ脳や心のしくみである認知科学を含むコーチングアカデミーに通いコーチになる。その後コーチングメソッドを手帳に落とし込んだpure life diaryを考案、feppiness株式会社創業。まじめながんばり屋さんの悩みを自信へ変えるサポートを行っている。

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