タイパ時代の読者が求める本とは? 2025年「上半期ビジネス書ランキング」ベスト10
2025年06月19日 公開

累計会員数120万人を突破した本の要約サービス「flier(フライヤー)」が、2025年における「ビジネス書の人気ランキング」を発表しました。「時間術」「習慣」「働き方やコミュニケーションのコツ」といった、タイパ時代に、どう行動するのかを考える読者のニーズが反映されたランキングをご紹介します。
flierユーザー閲覧数 2025年上半期人気ランキングTOP10
「flier」の有料会員を対象に、スマホアプリおよびウェブのアクセス数(紹介書籍の要約閲覧数)を合算し順位付け。集計期間は、2024年12月1日~2025年5月15日です。
1位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉/ダイヤモンド社/2023年)
2位:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(越川慎司/クロスメディア・パブリッシング/2024年)
3位:『部下をもったらいちばん最初に読む本』(橋本拓也/アチーブメント出版/2024年)
4位:『朝1分、人生を変える小さな習慣』(リュ・ハンビン,小笠原藤子(訳)/文響社/2025年)
5位:『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』(鶴野充茂/明日香出版社/2024年)
6位:『こうやって頭のなかを言語化する。』(荒木俊哉/PHP研究所/2024年)
7位:『頭のいい説明「すぐできる」コツ』(鶴野充茂/三笠書房/2008年)
8位:『イシューからはじめよ[改訂版]』(安宅和人/英治出版/2024年)
9位:『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス,児島修(訳)/ダイヤモンド社/2020年)
10位:『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(今井孝/すばる舎/2024年)
1位『頭のいい人が話す前に考えていること』著者・安達裕哉さんからのコメント
このたび『頭のいい人が話す前に考えていること』がフライヤーの上半期ランキング1位に選ばれ、大変光栄に感じております。多くの本が毎日出版されるなか、本書が「考える力」や「話す技術」を求める読者の皆さまの心に届いたことを心より嬉しく思います。引き続き、より多くの方々の思考やコミュニケーションが豊かになるように精進してまいります。読んでいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
フライヤー編集部による「ビジネス書ランキング」総評
1位に輝いた『頭のいい人が話す前に考えていること』は、トーハン、日販の年間ベストセラー1位になり、2年連続で「日本で一番売れたビジネス書」です。「読書が選ぶビジネス書グランプリ2024」でもビジネス実務部門賞に選ばれています。
ビジネス現場で、「頭の悪い伝え方だ」と思われたい人はいません。「あんなスマートに言えたらな......」という共通の願望がかたちになった本として、根強い人気を誇っています。何かを伝えるためには話し方も大切ですが、思考の質が高い「頭のいい人」は、話す前からその準備ができている。わかりやすく、知性にあふれた対話ができれば、相手の信頼も得られる。基本的でありながら見逃されがちだったこの観点について、7つの黄金法則と5つの思考法にまとめられています。
3位の『部下をもったらいちばん最初に読む本』、5位『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』、6位『こうやって頭のなかを言語化する。』、7位『頭のいい説明「すぐできる」コツ』も同じ流れで人気の出ている本かと思います。
『部下をもったらいちばん最初に読む本』(「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」総合グランプリ)は「頭のいい人」とは少し見方が違っていますが、組織から信頼され、円滑にチーム運営をしていくうえで、「リーダーとはどのような技術を備えているとよいか」がまとめられているという点で、「頭の中」を変える期待感に応える一冊です。個人だけでなく、組織全体が「頭のいい人」になるための基本を説くものといえるでしょう。
タイパを考えた習慣化に注目する人が増えているなかで、今回のランキングでは、タイパだけでは測れない豊かな時間の使い方に着目した本にも耳目が集まっています。
2位の『世界の一流は「休日」に何をしているのか』は、その原則に立ち返らせてくれます。一流は、ただ休むのでも、時間を効率的に「埋める」のでもなく、小さな達成感を積み上げて教養と休養をバランスよくとれるように工夫しているのです。毎週の休日の考え方から変えてくれるでしょう。
4位『朝1分、人生を変える小さな習慣』、10位『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」ビジネス実務部門賞)は、一見するとタイパ本のように見えますが、「次のステップに進むために、毎日のミクロな時間を大事にする」という意味で、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』と共通の精神があります。
そのほか、8位『イシューからはじめよ[改訂版]』(「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」イノベーション部門賞)、9位『DIE WITH ZERO』は、またとないベストセラーで読みつがれているロングセラー。まだ読んだことがないという方は、ぜひこの機会にお手にとってみてください。