「初対面の人と会話が続かない」を解決 コミュ力に頼らない“すぐに使える会話術”
2026年04月21日 公開
入学や入社、転職...新たなスタートを始めると、「はじめましての人」と関わる機会も多くなりますが、「人見知りだから何を話していいか分からない」と不安になる人も多いかもしれません。
現在「言葉のプロ」として活躍するひきたよしあきさんも、昔は人と話すことが苦手だったそうですが、雑談のコツを知ったことで、楽に雑談できるようになったとのこと。本稿では、ひきたさんが編み出した「はじめましての人とも話せるコツ」を紹介していただきます。
※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
「観察+感情」で話しはじめる
「はじめまして」の人としゃべるのがつらいのは、共通点がないから。どんな話をしたらいいか、まるでわからない状態です。でも、実は、共通点は作れるのです。私は、次の2つのステップで、共通点を発見しています。
①観察:一緒にいる空間を観察して、共有できるネタを探す
②感情:その観察についての、「自分の感想」を述べる
ポイントは「空間」です。たとえば、飲み会で同じテーブルについたなら、こんなふうに......
観察:隣の席で注文した焼きそば、美味しそうですよ
感情:あ〜、なんか急にお腹減ってきたなぁ
という感じ。そのあとに、「中華、よく来るんですか?」とか「注文、もう決めましたか?」などと、相手に質問して、相手にも口を開いてもらいます。
この方法が編み出せたのは、ある人の言葉がきっかけでした。それを教えてくれたのは、若き政治家です。政治家は、とにかく人とよく会います。はじめましての人とも頻繁に会い、コミュニケーションを図らないといけません。だから、初対面の人に慣れていると思い、質問しました。
「どうすれば、知らない人と仲良く話すことができるのですか?」
すると、彼はこう教えてくれました。「同じ釜の飯を食ってる感、を出すことです」相手も自分も、今この瞬間は、同じ時間と空間を共有しています。これこそ、話のネタにしやすいですよね。
たとえば、「このレストランは内装がおしゃれですね。こういうレストランにはよく行かれますか?」とか、「このスープ、すごく味が深いですね。スープはお好きですか?」とか。同じ時間と空間で、同じように五感をはたらかせていることを強調します。そうすれば、持っている話題がなくても、観察次第でいくらでもネタが出てくるそうです。
「あぁ、話すネタがない。話が続かなくなったらどうしよう」と悩んだら、深呼吸して周囲を見回してみましょう。五感のすべてをはたらかせて、周りを観察します。そして、今、自分がどんなことを感じているかを考える。観察し、感情をつぶやいたあとに、相手に話をふってみる。話題に行き詰まったら、再び観察して、次の話題を見つける。雑談はその繰り返しで成り立っていきます。
大事なのは、ライブ感です。今、この瞬間、自分たちが何を共有していて、どう感じているか。まずは、自分が感じたことを口に出して共有してみてください。そこを、上手く共有して乗り越えられれば、相手と仲良くなれる。最低でも、お互いの印象がよくなることは間違いありません。
名前の話でファーストコンタクトを制す
はじめて会った人に、たったひと言で自分が相手に興味を持っていることが伝わるコツを知っていますか。それは相手の「名前」を呼ぶこと。名前は、生まれてこのかた、その人が最もよく聞く親しみ深い言葉のひとつです。名前を呼ぶことで、相手に興味があることを示すことができます。
たとえば、はじめて会った人とは、こんな自己紹介をしていませんか。
「はじめまして、○○と申します」
「どうもどうも、はじめまして、△△です」
こんな感じで、自己紹介をお互いに終わらせるのはもったいない!では、どうすればよいか。具体的に相手の名前を呼んで好印象を与える方法を紹介します。
初対面のとき、ビジネスシーンであれば名刺交換をします。まず、名刺をもらったら、とにかく相手の名前を声に出すこと。これを心がけてください。受け取ると同時に、「鈴木紗香さん、ありがとうございます」と、名前の読み方が間違っていないか確認します。ビジネスシーンでなくても、名前を聞いたら、相手の名前を口に出してリピートしてください。
そして、「紗香さんの紗は、糸へんの紗なんですね。間違えないようにします」などと、名前の話題を続ける。名刺をもらわないシーンであれば、相手の名前の漢字をどう書くか、確認してください。これだけの短い会話の中に、相手の苗字と名前を何回も口にしています。これで、かなりの印象度アップになるはずです。
さらに、名前の話を続けたり、話の途中に名前のことを折り込んだり、名前を通して相手に関心があることを繰り返し伝えていきます。たとえば、漢字の組み合わせ方など、名刺を目にしたときに自分が気になったことを聞けばよいのです。具体的には、こんなことが話のタネになると思います。
・読み方
・漢字(好き、難しい、めずらしい、見た目がきれいなど)
・画数(多い、シンプル、書きやすそうなど)
・名前(親戚・友人、タレント、マンガの主人公と同じなど)
「素敵なお名前ですね」「俳優さんみたいですね」「はじめて見ました」など感想や自分の気持ちをつけ加えるといいですね。そして、以後の会話は、「鈴木さん」を主語にして話すように意識しましょう。
改めて重要ポイントを繰り返します。相手の名前は、出会った瞬間に何度も声にして覚える。ぜひ実行してください。
自分の名前をネタのひとつにする
【Q】あなたは、自分の名前の由来を語れますか。
私は、大学で講義をする際に、まず学生たちに「名前の由来」を紙に書いてもらうようにしています。「私の名前は、晴香です。私が生まれた日は晴れていて、晴れの日の香りがするようにと、両親がつけてくれました」「私の名前は、響です。父が好きなお酒の名前だそうです」
最近は、キラキラネームや読み方のわからない名前も多く、多くの小学校で「名前の由来」を調べる授業をやっています。だから若い世代は、スラスラと自分の名前の由来を語ってくれる。ご両親が好きだったマンガやアーティストの名前からつけられたものも多く、それだけで話題が広がっていきます。相手をよく知るきっかけにもなります。
このように、自己紹介の際の話のネタとしては、「自分の名前」もかなり使えます。話を展開するときに、<自分の名前について話す→相手にも聞いてみる>というやり方もあるからです。雑談が苦手な人も、自分の名前についてだったら、自分から話すこともできますよね。
もしも、これまで自分の名前を活用してこなかった人は、自分の名前の由来を語れるようにまとめておくことをおすすめします。ちょっとした話で大丈夫。名前だけを言って終わるよりも、由来もつけて説明することで、あなたの名前は、より相手の印象に残るはずです。
由来は、名づけ親に聞いてみるのも一手ですが、名前に使われている「漢字の起源」を調べておくだけでもいいと思います。たとえば、私の名前を漢字で書くと「吉昭」ですが、この「吉」という字は、お鍋の中に幸福を詰め込んで、上から蓋をしている状態を示しているとか。
こういう話を自己紹介に入れると、「吉」という字のつく名前だったのかと、相手に印象深く伝えることができます。名前は、雑談の突破口になる言葉。活用しない手はないです。






