朝カレーでもOK! ハッピー人生をつくる「朝ごはん」のパワー
2013年05月16日 公開 2024年12月16日 更新
朝ごはんで人生の勝利者に
現代人にとって朝ごはんを食べるか、食べないかは、ちょっとオーバーに表現すれば天下分け目の戦いみたいなものです。つまり、勝つか、負けるか。
仕事ばかりではありません。
ビジネス、能力開発、健康、長寿、すべての出発点が朝ごはんなのです。
脳はあらゆる形で入ってくる情報の処理マシーンであると同時に、記憶の貯蔵庫ですから、性能のよしあしが、仕事にも長寿にも影響します。
頭脳が正常に働くために欠かせないのがブドウ糖。その理想的な供給源こそ米のご飯で、米には約75パーセントの炭水化物が含まれています。
炭水化物は多糖類とよばれる糖質で、体内で単糖類のブドウ糖に分解され、脳や筋肉などが働く時に必要なエネルギー源となります。脳の唯一のエネルギー源が、主として炭水化物から作られるブドウ糖なのです。
ご飯は、粉食のパンやうどんなどと違って粒食ですから、消化されるのに時間がかかります。ご飯が腹持ちがよいということは、脳のエネルギー源として持続力が長いので、脳がより長く、健康的に働くことができるということになります。
昔はどこの家でも、お母さんが朝早く起きてご飯を炊き、味噌汁を作りました。
日本人は炊きたてのホカホカしたご飯が大好き。ひと粒、ひと粒が立っていて光沢があり、ほのかに甘い。食べると、いかにも体内に「米の力」がしみこんでいくような感じがします。そして、おいしいご飯にはちょっと粘り気があり、そのご飯を箸の先で小さなかたまりにして口に運びます。
ツブツブがお互いにほどよく粘り合い、崩れない程度にかたまりを作っています。
どのぐらいの大きさのかたまりにするか、日本人は無意識のうちに、箸の先を器用に使いこなして形にしているのです。目安はひと口大。それほど大きく口を開けなくても、品よく入るくらいのかたまりです。
ご飯だけではありません。味噌汁でも漬け物、海苔、煮豆、焼き魚でも、すべて、この2本の箸で取り分けて口に運ぶのです。
指先には神経細胞が集中していて脳と直結しており、指先をひんぱんに使うということは脳の活性化に効果的。脳の老化防止にも、長生きにも役立ってきました。
元気で長生きの人はいつもニコニコと笑顔を絶やさず、食事の時、自分の箸でしっかりとご飯を食べます。
生涯現役というのは「生涯箸使い現役」のことなのです。朝ごはんはもちろん、ご飯を食べることは、味を楽しんで栄養をとることに加え、実は、指先と脳の若々しさを保つことであるかもしれません。
<イラスト:永山久夫〔著者〕>