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やり方をちょっと変えれば、「先送りグセ」はすぐなおる!



2013年05月23日 公開

佐々木正悟 (心理学ジャーナリスト)

《『[図解]7日間で「すぐやるひと」に突然変わる本』より》

手をつける時間帯を変えるだけで、驚くほど簡単になる

 いつもやろうやろう、と思っているタスクについて「ずっとこれやってないけど、今日もできそうもないんだよなあ」と思ってしまうことがあります。実は、そう思ってしまうタスクは、いつも同じ時間帯に手がけようとしていることが多いものです。

時間帯が変わるだけで、タスクの印象が、がらりと変わる

 私も「いつも先送りにしてしまうタスク」があります。最近では「娘のひな人形を片づける」というタスクがそうでした。

 3月3日をとっくに過ぎてしまったというのに、ちっとも片づける時間をとることができない。というよりも、とるつもりにすらなれずに放置していたのです。しかし、3月中旬になり、妻の実家からご両親がやってくるということで、さすがに何とかしなければならなくなりました。

 考えてみると、「夕食後の暇な時間に片づけよう」として、いつも失敗しています。そこで「この際、夕食後ではなく朝食後にしたらどうだろう?」と妻に提案したら、驚くほど、あっさり片づけられたのです。

 いつも同じ時間帯にやろうとして失敗していることを、異なる時間帯に投入するとうまくいくことがあります。なぜかというと、時間帯により、タスクの「難易度」や「感じ方」が変わるからです。夕食後が難しかったのは、夫婦ともに動きたくない時間帯の上、やることも多かったからでした。一方、朝食直後は、よく動く時間帯ですし、しかもその日は、他にやることがそれほどなかったのです。

◆「好調時」にもぐり込ませる

 手がけがたいタスクを片づけるには「好調時」の時間帯にもぐり込ませるのがベストです。これは当たり前のようですが、実は難しい。というのも、好調時には好調時にやりたいことが山ほどあるため、「異物」を排除したいと思ってしまうからです。

 実際、妻は朝食直後には、洗濯や皿洗いなど、いろいろな家事をやります。私は私で、午前の仕事に取りかかる直前のスキマ時間を使って、娘の相手をしてやりたいと思っています。その他の時間にすることもできそうですが、他の時間に回すと難しくなるタスクが多かったのです。皿洗いは時間をおくと面倒になりますし、朝食後、私と遊んでもらえると思っている娘は、他のことをすると騒ぎ出します。

 ですから、朝食直後は「異物」を割り込ませるのが比較的難しかったわけです。

 とはいえ、ふだんから動ける時間帯は、何を持ってきても比較的前向きな気持ちで取り組めます。なかなか処理できないが、どうしてもやらなければならないタスクは、ダメもとで、「とりあえず別の時間にやろうとしてみる」くらいは試して損はありません。

 

「悩みすぎない」 さらに「とりあえず」もやらない

 「これからの時代はスピード。あれこれ悩む前に、とりあえず、やってみたほうがいい」とよくいわれています。でも、これは決断に時間がかかるような問題についての考え方の1つにすぎません。

◆ 朝の貴重な時間を「とりあえず」で使い果たしてしまわない 

 会社でいえば出社してからお昼までの午前の時間はとても貴重です。一番精神のエネルギーが充実していますし、しかも使える時間も一番多いからです。

 この大事な時間を「とりあえずやること」だけでつぶしてしまっている人が、残念なことにとても多いのです。

 とりあえずメールをチェックして、とりあえず簡単な仕事だけ片づける。

 一見たくさんのことを終えて、充実した時間を過ごしたようですが、実際に手間のかかる仕事は1つも片づいていません。時間のかかる面倒な仕事が、全部午後に残ってしまっています。

 それでも、昼食後すぐに大事な仕事に取りかかることができるならまだいいのですが、昼食後に電話がかかってきたり、会議に出なければならなかったりすると、結局面倒な仕事には夕方頃から取りかかることになります。残業タイムに突入し、すっかり疲れ切った時間帯に、簡単に終わらない仕事とずっと格闘しなければならなくなるのです。

◆「とりあえず片づけたい」心の衝動と闘う 

 こんなことになってしまうのも朝の貴重な時間を「とりあえずメールチェック」や「とりあえず簡単な仕事」で使い切ってしまったからです。

 可能ならこの順番は、逆にしなければいけません。つまり、まず難しい、面倒な仕事をやっつけてしまい、余ったわずかな時間でメール処理や、簡単な仕事を片づけるのです。そのような順番で処理していれば、残業タイムにとんでもない大物と闘ったりせずにすむでしょう。

 余裕のあるときに「とりあえずメールチェック」してしまうのは、実は「面倒な仕事から逃げたい」という心の衝動を満たしているにすぎません。仕事をしているようで、実は逃避をしているのです。

 もちろん逃避といっても、仕事をさぼったりしているわけではありませんから、一見逃避と気づきにくいものです。とりあえず簡単なことをしているといっても、やっていることは仕事ですから、自分も他人も真面目に仕事に取り組んでいると錯覚してしまうのです。

 しかし、逃げられない時間になると、そのつけが自分に回ってきます。

 メールチェックはしなければならないものかもしれませんが、せめて出社してすぐ「とりあえずやる」のはやめましょう。

 

佐々木正悟

(ささき・しょうご)

心理学ジャーナリスト

1973年、北海道生まれ。心理学ジャーナリスト、ブログ「ライフハック心理学」主宰。濁協大学外国語学部英語学科を卒業後、ドコモサービスで派遣社員として働く。2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年、ネバダ州立大学リノ校に移籍。この間アメリカで「先送りする人の心理」「動機付けの心理」などについても学び、仕事や生活に「すぐやるための心理学」を活かすことができないかと研究する。2005年に帰国。
主な著書として『スピードハックス(共著)』(日本実業出版社)、『iPhone情報整理術(共著)』(技術評論社)、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『クラウド時代のタスク管理の技術』(東洋経済新報社)などがある。


<書籍紹介>

[図解]​7日間で「すぐやる人」に突然変わる本

佐々木正悟 著
本体価格800円

「明日やろう」「計画倒れ」から抜け出せる! 仕事、勉強、片づけ、ダイエット……、何でも「すぐやる人」になるためのヒント満載。



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