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「ヤバい」しか言えない人は嫌われる? 心理学が示す語彙力と人気の関係

内藤誼人(心理学者)

2026年07月24日 公開

「ヤバい」しか言えない人は嫌われる? 心理学が示す語彙力と人気の関係

人からどう見られるかは、普段の言葉づかいや何気ない好みにも左右されます。心理学者の内藤誼人さんは著書『10秒で本音を見抜く心理術』にて、語彙力が評価や人間関係に与える影響、甘いもの好きな人の性格傾向など、何気ない日常に表れる人柄の特徴を心理学の視点から解説しています。今回は、そんな興味深い研究結果を同書よりご紹介します。

※本稿は、内藤誼人著『10秒で本音を見抜く心理術』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

使う言葉で、あなたの印象は決まる

最近の若者は、語彙力が貧弱です。

何を形容するにも、「ヤバい」で済ませてしまいます。ポジティブな感情のときにも、ネガティブな感情のときにも、とにかく「ヤバい」の一点張り。

もともと「ヤバい」という言葉はネガティブな文脈で使われる表現でした。「お客さまへの資料を作っていないよ、ヤバい」という具合です。

ところが、最近の若者はポジティブな文脈でも「ヤバい」という表現を使います。「このケーキ、マジでヤバい」(ものすごくおいしい、という意味です)「あのミュージシャンのライブ、めっちゃヤバい」(最高でカッコいい、という意味です)

いや、若者に限らず、30代、40代の人でも、「ヤバい」という言葉しか使わない人が増えているような印象もあります。こういうタイプの人は、どんな人なのでしょうか。

語彙力が貧弱ということは、頭のほうもそれほど賢くはないということがなんとなく推測できますが、さらに語彙力の貧弱な人ほど、他の人からの人気も低いということが明らかにされているのです。

アイオワ州立大学のイルマ・ガレイスは、60名の子どもに語彙力を測定するテストを受けてもらい、教室の先生にお願いして個々の子どものクラスでの人気度の得点もつけてもらいました。

その結果、語彙力がない子どもほどクラスでの人気も低い、ということがわかりました。語彙力のない人は、好かれないようなのです。

 

語彙力が評価を左右する

語彙力がないということは、会話をするときにどうしても単調な表現しかできません。くり返し同じ言葉を使いますので、聞いているほうも退屈してしまいます。そういう人は、当然ながら、人気者にはなれません。

気に入らないことがあると、「ムカツク」としか言えない人より、さまざまな怒りの表現を使い分けられる人のほうが、他の人からの印象もよいでしょう。

語彙力が豊富な人は、多くの言葉を知っているだけでなく、相手や状況に合わせて適切な言葉を選んで、豊かに表現できます。複雑な内容の話をわかりやすく伝えることもできます。そのため、周囲の人にも好かれるのです。

ちなみに、たくさんの本を読み、普段から読書習慣がある人は、自分でも気がつかないうちに語彙も増えますし、物事の表現もうまくなります。

私が出版業で働いている人間だから言うのではありませんが、人気者になりたいのなら、たくさんの本を読むようにするといいですよ。本を読んでいると教養も身につきますので、おしゃべりするときの話題も豊富になりますし、相手に喜んでもらえる表現もできるようになります。

 

甘いもの好きは、性格もいい?

食べ物の好みと性格には関連性があります。その人がどんなものが好きなのかを教えてもらえるのなら、心理学者ならその人がどういう人なのかも推測できます。

友人を作ったり、恋人を作ったりするときには、できるだけ「甘党」の人を選ぶとよいですよ。そういう人ほど、人当たりがよくて、お付き合いしやすいことが心理学の研究で明らかにされているからです。

米ゲティスバーグ大学のブライアン・メイアーは、55名の大学生の食べ物の好みと性格についての関連性を調べてみたのですが、甘いものを好きかどうかと、人当たりがよいかどうかには強い関連性が見られることが確認できました。

甘いものが好きな人は、一言でいえば、「いい人」なのです。

私は大変に甘党なので、「甘いものが好きな人に悪い人はいない」と昔から勝手に思い込んでいたのですが、実際の研究でも裏づけがなされていることを知り、嬉しい気分になってしまいました。そういえば、ディズニーのアニメに出てくるくまのプーさんはハチミツが大好きですよね。そんなプーさんの性格はというと、友達思いで、親切で、森の住人たちからも愛されています。

 

甘いものへの好みは、人柄に表れる

したがって、お付き合いする人を選ぶときには、プーさんのように甘いものが好きな人を選べば、間違いありません。他愛のない世間話をしているときや、次のようなことをぽろりと口にしたときに、その人が甘党かどうかを見抜きましょう。

「私は、甘いものをおつまみにして、お酒が吞めるんです」

「ほぼ毎日、コンビニでスイーツを買って帰るんです」

だれかがこういう話をしているとき、たいていの人は「ふうん」とか「甘党なのか」としか思わないでしょうが、そういう人ほど人当たりがよく、お付き合いする相手にもふさわしい人だということを覚えておくとよいでしょう。

甘いチョコレートをバッグの中に入れておき、「お一つどうぞ」と相手に勧めることで簡単な実験をしてみるのもいいですね。そのときの相手の反応によって、「甘いものはちょっと…」と断ってくるようなら甘党でないことがわかります。

もちろん、お付き合いをするのなら「うわっ、いいんですか?ありがとうございます!」とチョコレートをその場ですぐに口に入れてしまうような人のほうがよいでしょう。性格的に温和で優しく、人当たりもよいので付き合いやすい可能性が高いからです。

プロフィール

内藤誼人(ないとう・よしひと)

心理学者/立正大学客員教授

慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。[有]アンギルド代表。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ。その軽妙な心理分析には定評がある。『人は「暗示」で9割動く!』(だいわ文庫)など、心理に関する著書多数。

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