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わかる!労働基準法―どの程度の欠勤、目標未達でクビになる?

2015年08月28日 公開

布施直春(羽田タートルサービス審議役)

《PHPビジネス新書『[三訂版]わかる!使える!労働基準法』より》

[三訂版]わかる! 使える! 労働基準法

 

労働者は、労働基準法などの法律で守られている

 

 こんな解雇は認められない!――いろいろな事例

 会社を辞めさせられることは人生の一大事です。

 ですから労働基準法をはじめさまざまな法律で、不当解雇の禁止ルール(解雇禁止事由)が広く定められています。

 たとえば、

 「労働組合を作って会社に反抗するような社員はみんな解雇してやる」

 「この忙しいのに育児休業なんて申し出てきたから解雇だ!」

 「労働基準監督署に法違反の告げ口なんてしやがって……あいつは解雇しろ!」

 「社員が妙な宗教にハマッていて、なんだか気味が悪いから解雇する」

 これらは、すべて労働組合法、育児・介護休業法、労働基準法で禁止されています。

 他にも、労働基準法において、「業務上の負傷・疾病による休業期間、その後30日間」「産前産後の休業期間、その後30日間」は解雇が禁じられています(19条)。

 

会社の解雇予告は30日前までに

 「明日から来なくていいですよ」

 こんなセリフ、ドラマなどでよく出てきそうですが、これは原則的には許されません。

 労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に解雇予告をしなくてはならないのです。

 あるいは、これに代えて30日分以上の解雇予告手当(平均賃金)を支払わなければなりません(20条)。

 ですから、たとえば予告を15日前にした場合は、残りの15日分の解雇予告手当の支払いが必要で、予告手当を支払った日数分だけ予告日数を短縮できます。

 予告は30日以上前であれば、何日前でもかまいません。

 しかし、いつ解雇されるかが労働者に明確にわかるように、解雇の日を特定して予告しなければなりません。

 「今月末までに取引先からの仕事の発注がなかったら解雇する」

 などといった条件付きの予告は、解雇予告とは認められません。

 ちなみに予告手当は、解雇と同時に、会社において直接労働者に支払わなければなりません。

 もっとも、(1)天災事変などにより事業の継続が不可能になった場合や、(2)労働者本人の問題(事業所内での横領や、事業所外での重大な犯罪など)によるもので、あらかじめ労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けた場合は、即時解雇(解雇予告手当も不要)ができます。

 従業員は、もしも、即日解雇といわれたら、会社から労基署長の解雇予告除外認定書を見せてもらってください。会社によっては事前の認定を受けていない場合も多くあります。この場合は、たとえ従業員が服務規律違反を行っていたとしても30日分の解雇予告手当をもらえます。

 また、「日々雇用者(1カ月を超えた者を除く)」「2カ月以内の期間雇用者(当初の契約期間を超えて継続雇用された者を除く)」「季節的業務での4カ月以内の期間雇用者(同前)」「試用期間中の者(14日を超えた者を除く)」には解雇予告も予告手当も不要です(21条)。

 

まずは就業規則をチェック

 さて、いくら法律で守られているとはいえ、「解雇理由に合理性、相当性」があれば、使用者は労働者を解雇できることも事実(労働契約法16条)。そこで問題になってくるのはやはり、「どのくらいの問題を起こしたら、解雇されることになるのか?」という基準の問題でしょう。数億円単位の横領でもしたのならともかく、社内から備品の消しゴムを持ち出したくらいで解雇されては、さすがにやりすぎと思われそうです。

 先にお話ししたとおり、就業規則には解雇要件をきちんと定める必要があります。

 従業員10人以上の事業場では、解雇の事由等を就業規則に定めることが義務づけられています(89条1項3号)。また、労働組合と結んだ労働協約に解雇について定めてある場合は、これを守らなければなりません。ですので、心配な人はまず、労働契約書、就業規則と労働協約をチェックしてみることにしましょう。

 ただし、これらに規定が定めてあったとしても、その解雇に合理的な理由、相当性がない場合には、解雇は無効となります。

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