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わかる!労働基準法―どの程度の欠勤、目標未達でクビになる?

布施直春(人事・労務コンサルタント)

2015年08月28日 公開 2023年02月22日 更新

 

「跡を濁さない」退職の仕方を知っておこう!

 さて、従業員の側としても、なるべくならスムーズに退社したいものです。そこで、トラブルを起こさないための退職手続きについて、説明しておきます。

 まず、退職時には賃金だけでなく、各種社会・労働保険の手続きを行わなくてはならない、ということを覚えておきましょう。

 まずは賃金など、金品に関することですが、会社は従業員が退社する場合(死亡、解雇も同様)、本人(死亡の場合は遺産相続人)の請求があれば7日以内に賃金、社内預金など本人の権利に属する金品を返還しなければなりません。特に賃金は本人から請求があれば通常の賃金支払日以前であっても7日以内に支払わなければならないのです。ただし、退職金については、就業規則で支払日を、たとえば2カ月以内と明確に定めてあれば、それに従って支払えば差しつかえありません。

 また、労働者はさまざまな社会・労働保険に加入しています。雇用保険については、「被保険者証」を会社が預かっている場合は返してもらわなければなりませんし、退職者の離職票を会社はできるだけ早く本人あてに送らなければなりません。

 同様に健康保険については、退職者に健康保険証を返還しなければなりません。会社は脱退手続きをとります。

 最後に厚生年金保険ですが、会社から年金手帳を必ず返還してもらっておかなければなりません。もし紛失した場合は、再発行が必要です。

 

<著者紹介>

布施直春(ふせ・なおはる)

昭和41 年、国家公務員上級職試験(行政甲)に独学で合格、労働本省(現在の厚生労働本省)に採用。その後、明治大学法学部、新潟大学商業短期大学部卒業(いずれも夜間部)。元労働省長野、沖縄労働基準局長。前清水建設(株)本社常勤顧問。元関東学園大学・新潟大学講師(労働法、公務員法)。現在、羽田タートルサービス(株)本社審議役、労務コンサルタント。労働法と人的資源の活用、管理に関する著書は120冊。
主な著書に『労務トラブル解決法シリーズ』(労働調査会)、『図解 ゼロからわかる労働基準法』(ナツメ社)、『Q&A「女性労働者の労働法」実務ハンドブック』『改訂版 いまさら人に聞けない「労働者派遣」の実務』(以上、セルバ出版)、『労働法実務全書』『外国人就労者の入国手続き・労務管理』(以上、中央経済社)、『イザというときの労働基準法』(PHP 研究所)がある。

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