医学部に受かる人、落ちる人 カリスマ予備校講師が見つけた5つの違い
2018年09月14日 公開 2023年01月30日 更新
ネットで受験情報に触れすぎた結果、受験勉強の軸がズレてしまう
相違点4の「情報の取り扱い」にいきます。医学部に落ちてしまう子は、たいてい数多の“情報”に振り回されてしまっています。
それは、学校の先生や親御さんなどの大人からの情報だけでなく、友人の会話や市販されている書籍、さらにはネットなど、数多くの情報を浴び、いちいちその情報を鵜呑みにし、右へ左へと常に動いて、軸が定まらないのです。
確かに、書籍やネットの情報にも有益なものはあります。ただ、そういった情報を閲覧する上で大切なのは、その情報の目利きです。
つまり、その情報の真偽や、正しかった場合の使い方など、情報自体の取り扱いのスキルがないと、その情報は諸刃の剣になりかねないのです。
例えば以前、こんな生徒がいました。その子は難問ばかり載せたある問題集を不意に私のところに持ってきて、「先生、この問題集を完璧にすれば●●大の医学部に受かりますか?」そう質問をしてきました。
その子が言うには、ネットのある人の投稿で、「私はこの問題集を使って●●大の医学部に受かりました!」とあったので、自分もその問題集をやれば受かるのではないかと。
厳しいこと言うようですが、あまりに多くの情報にさらされると、その情報の有用性が判断できない子どもはひどく安直な選択をしてしまいます。
難問ばかりで構成されたその問題集が、その子の現在のレベルに合っているかどうかが重要ですし、そもそもその問題集の問題を解けるようになることがその子の志望大学の入試問題を解くことにつながっているかどうかまでを考えることが先決です。
似たような話なのですが、その大学の合格最低点のことを考えずに、ただただ闇雲に難易度の高い予備校の講義にしがみついたりする学生も多くいるのが現状です。
私自身も受験生のときは、著名な講師のハイレベルな授業さえ受けていれば、それだけで大学に受かることができるんだと考えてしまっていました。
結果、本来の目標からズレた方向で受験勉強を行なってしまうこととなり、受験そのものにも失敗してしまうわけです。
医学部に受かる人は高い「説明スキル」を持っている
最後に、相違点5の「説明力」ですが、医学部に受かる子の共通点として、説明スキルが比較的高い傾向があります。
医学部に受かる子の多くは、コミュニケーションスキルの中でも「説明力」はかなり高いのです。
そういった生徒は、入塾面接の時の質疑応答や、講義の質問に来たときの会話でだいたいわかります。「自分がなぜ医学部を志望しているのか?」や「自分のわかっていない箇所はこういう点」ということをスムーズに話すことができるのです。
こういった説明スキルは、医学部入試においては、特に面接でその力を発揮します。医学部入試の面接では、数多くの「自分のこと」を正確に面接官に伝える必要があります。さらには、大学によっては、集団面接としてグループディスカッションやディベートなどを実施している大学もあります。そのため、面接官だけでなく、同じ受験生どうしで自分の考えなどを説明し合わなければならない場面も出てきます。
もちろん、面接試験は合否に大きく影響します。結果、説明スキルに優れている子は面接試験で高評価を得られるわけです。
これまでお話ししてきたように、医学部の受かる人には共通点があり、落ちてしまう人とは大きな違いがあるのです。しかし、裏を返せば、医学部に落ちてしまう人の思考や習慣を排除し、受かる人の共通点を身につけていけば、誰にでも医学部合格のチャンスがあるということです。
「頑張るすべての子どもの努力をカタチにしたい!」、そんな思いから、本記事が医学部合格に向けて頑張っている受験生のお役に立てるのであれば、筆者としてそれに勝る喜びはありません。