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現地調査で感じたケニア市場の可能性 日本企業が進出するならこの都市

真田幸光(愛知淑徳大教授)

2018年10月10日 公開 2022年07月08日 更新

 

ケニア第二の都市、モンバサが秘めた投資可能性

海側にあるケニア第二の都市・モンバサも訪問しました。
ここでは中国が支援を行い、港湾を大規模に開発していますが、実際に現地を見て投資の可能性も見出すことができました。

例えば、首都・ナイロビとモンバサを繋ぐ鉄道は、三十両程度の貨物車が往復する様子を目にしました。ケニアの海岸側はインフラ整備が進みつつあり、落ち着いた地域になってきた印象です。

今後は港の開発状況にともない、輸出加工区と工業団地等が一気に作られ、発展していくのではないかと推測しています。

その輸出加工区で製造した製品をどこへ売るのかという課題があります。これは、ケニアを拠点として、周辺国、特に東海岸エリアへ販売していくというルートが考えられそうです。

現地のエネルギー事情についても調査しました。モンバサは、海側の都市ということで、火力発電や石油によるエネルギー供給が設備されつつあるという印象です。

一方で首都・ナイロビをはじめとする内陸側の都市では、風力発電が中心となっています。

ケニア政府の方の話では、アメリカ企業による風力発電プロジェクトが新規で立ち上がるようです。発電所の建設、そして送電線の設置も進みつつあり、近い時期に電気事情も改善してくると推測されます。

なお、送電線の整備プロジェクトについては、私が視察した場所では中国企業が担当しており、「武夷集団」という企業の看板を頻繁に目にしました。すでに中国は港湾・鉄道・道路・送電など、インフラ整備事業において、ケニアにおける大きな権益を確保しているものと思われます。

やはりアフリカでのビジネスを考える上では、同じアジアの大国・中国の動きをフォローしていく必要があると思います。

インフラ整備が進めば、進出障壁が下がります。ケニアのモンバサのようにインフラ整備が進みつつある都市では、ビジネスの可能性を現地で感じた次第です。

アフリカについての続報はまたこのオンラインサロンにてお話したいと思いますが、中国の「一帯一路」との関係や、日本の大手自動車メーカーのアフリカでの動向等、アフリカについてはグローバル・ビジネスを考える上で目が離せません。(了)

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