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「余命3年宣告」で分かった"お金 vs. 時間"の勝者【幡野広志】

2018年11月01日 公開

幡野広志(写真家)

写真:幡野広志

<<末期ガン、余命3年の宣告を受けるも、精力的に発信を続ける写真家の幡野広志氏。処女作『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』に、写真はあえて1枚しか収録しなかった。

写真ではなく、「言葉」で伝えることにこだわった同書では、息子に伝えたいこと、学んでほしいこと、教えておきたいこと、そして、いつか話したいことが綴られる。

息子に教えておきたいこととしてあげたのは、夢と仕事、そしてお金との向き合い方。幡野氏は言う。「何かができない言い訳として「お金がない」は、もはや弱いと思っている。」
ツールとしてのお金の使い方と、有限な時間の使い方。同書の一説から紹介する。>>

 

人がアウトプットしたものは、必ずその人を写し出す

写真:幡野広志

少し前、写真家志望の男の子と撮影現場で一緒になった。
話を聞いて驚いたのは、彼はまだ23歳なのに、借金が1,000万円もあること。奨学金返済と生活費の不足分のキャッシングがふくれ上がったのだという。

家庭環境に恵まれず、奨学金で大学の写真学科を卒業しているが、お金が足りないので、1年間は休学してアルバイトをしたそうだ。

「どんなバイト?」と聞いて、さらに驚いた。
1日12時間も、時給900円のラーメン屋で働いていたというのだ。残業代は支払われていない。
借金を抱えている人のバイトとして効率が悪すぎるし、お店にいいように利用されている。

しかし彼は「簡単に見つかる」というだけの理由でバイトを選び、お店のルールに合わせて「それが当たり前だ」と思い込んで働き続けていたのだ。
複雑な事情を抱えている子だった。親からじゅうぶんな愛情を受けていないばかりかトラブルも押しつけられ、学生時代はいじめにもあっていたらしい。

残念だな、と思った。

とても能力が高い子だったから、僕が師匠(広告写真家 高崎勉氏)に出会ったように、誰か叩きなおしてくれる人が現れたら、そうとう伸びるのに、とも思った。

だが、残酷だけれど、それは難しいだろう。なぜなら、彼自身がものすごく嫌なやつになっていたから。
嫌なやつのまわりには、嫌なやつしか集まらない。

さらに彼の心の歪みは、彼の写真にも現れていた。
写真は、撮る人の人柄を写し出す。
写真は誰でも撮れるし、技術も学べる。ゆえに、作品が優れているかどうかは人柄で決まるのだ。

これはおそらく、写真に限らない。
「書には人柄が出る」とある書道家は話してくれたし、文章だって料理だってそうだろう。どんなものでも、人がアウトプットしたものには、その人の人柄が反映される。

だから息子には、賢く能力が高い人でなくていいから、いい人間になってほしい。

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