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加速するGAFAへの人材流出 「日本型雇用」が“日本人から”憎まれている現実

2019年03月20日 公開

橘玲(たちばなあきら:作家)

年収数千万から数億円の海外企業を選ぶのは必然

もちろん、いきなりこんな話をしても「そんなわけない」と反発されるだけでしょう。そこで最初に、いくつか事実(ファクト)を示しておきます。

NTTの澤田純社長によると、「(NTT持ち株会社の研究開発の人材は)35歳になるまでに3割がGAFAなどに引き抜かれてしまう」とのことです(「対GAFAへ処遇改善」日本経済新聞2018年11月20日)。

GAFAとはグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字で、「プラットフォーマー」と呼ばれています。

検索、スマートフォン、SNS、EC(電子商取引)で圧倒的なシェアを持ち、市場の土台(プラットフォーム)を支配しているグローバルIT企業が、日本企業から若くて優秀な人材を次々と引き抜いているのです。

記事によると、NTTの研究開発職の初任給は大卒が21万5060円、修士課程が23万7870円ですが、世界的に人材の獲得競争が激しくなっており、GAFAなどは新卒でも優秀なら年収数千万円で採用するとのことです。

日本企業から人材が流出する先はシリコンバレーのIT企業だけではありません。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が2017年に、日本国内の新卒採用で初任給40万円を提示したことが報じられて衝撃がひろがりました。

ソニーなど日本の電機大手の2倍ちかい水準ですが、経済紙の取材に対してファーウェイの日本法人は「世界的には珍しくはない。優秀な人を採るためのグローバルスタンダード」と答えています。(「日本の賃金、世界に見劣り」日本経済新聞2018年1月22日)

こうした事態を受けてNTTデータは「トップ級のIT(情報技術)人材獲得を狙った人事制度」を新設し、業績連動部分には上限を設けず、年収3000万円以上を出す場合もあると発表しました。(「ITトップ人材 業種超え争奪」日本経済新聞2018年12月5日)

年功序列ですべて横並びだったことを考えれば大胆な試みに見えますが、ここには大きな誤解があります。NTTデータの「改革」は、一般社員の給与体系をそのままにして特別な人材を高給で雇うというものです。

それに対してGAFAは、専門職であればすべての社員が年収数千万円(あるいはストックオプションを加えて数億円)なのです。

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