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東大出身の先生の説明が「わかりにくい」理由 「急行」と「各駅停車」の違い

犬塚壮志(士教育代表取締役)

2019年03月27日 公開 2023年01月30日 更新

「話さなくてもわかるでしょ」では伝わらない

これは、頭の回転が早い人ほど、何かを説明するとき、「B」が当たり前のことすぎて、「B」を介さずに「A→C」と説明してしまうことが原因です。

そうすると、聴き手は「それ、どういうこと?」と思ってしまうのです。

頭のいい人ほど、自分(話し手)にとって当たり前すぎることは、「これは話す必要がないな」とか「話さなくてもわかるでしょ」のように、思ってしまい、結果として聴き手にその論理(理屈)が上手く伝わらなくなってしまうという状況が出てくるのです。

 

各駅停車を目指すべし

大切なことは、聴き手にとって論理が把握できるかどうかです。話し方において本当に「頭がいい」というのは、聴き手の知識レベルを把握して、その知識に合わせて論理展開できる人だと私は思っています。

話しながらも、聴き手の理解度を随時チェックし、聴き手の理解に滞りが出てきた様子がうかがえた場合には、一つ前の話に戻ったり、論理の間を埋めるような説明を追加したりすることが大切なのです。

特に、自分と相手の知識レベルや理解度に大きな差がある場合には、「ちょっとくどいかな」と思うくらいの「つなぎ」(論理展開)くらいが、実はちょうど良かったりするのです。

たとえて言うなら、新幹線で走行してしまいそうなときほど、各駅停車の在来線をイメージするのです。通過(飛ばして)しまいそうな駅1つ1つまでしっかり停まってあげるのです。

説明で大切なことは、その電車の運転手(話し手)ではなく乗客(聴き手)です。聴き手のニーズやレベルに合わせた説明を最優先にすべきなのです。

ぜひ、聴き手の視点に立った各駅停車のような論理展開を実践してみていただければと思います。

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