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生き方

ずるい人から“騙されない”ための「青木雄二氏の知恵」

青木雄二(漫画家)

2019年08月20日 公開 2022年06月14日 更新

 

相手が人をだまそうとしているか確かめる方法がある

詐欺の常習犯やウソをつこうとする人間のちょっとした不審なそぶりを見逃してはいけない。人をだまそうとする人間には、独特の表情があるもんや。

たとえば、相手が単なるサクラの小心者やったら、名刺ひとつ渡すのにもやけに自信がなさそうなふるまいをする。これは、人をよく観察すれば、すぐにわかりそうなものや。とくに、ニセの名刺やったら、自信をもって出せるやつはそうはいない。どこからどんな出し方をするか、注意して見るべきや。

人の会社を訪問してきたのに、自分の名刺が見あたらない、なんてやつもときどきいるが、そういうのも怪しい。少なくとも、その日に会いそうな人数分の名刺くらいは、すぐに出せるように用意しているものや。相手の名刺を受け取ったら、相手の業種や仕事内容について、それとなく聞くといい。知らないことを聞かれないか、ヒヤヒヤしていれば、どうしても表情に出るものや。

ここでひとつ、相手がサクラかそうでないか確かめる方法がある。名刺の所在地に郵便番号が入ってなければ、「御社のあたりは郵便番号何番でしたっけ?」と聞くのや。でっちあげの所在地の場合には、ふつう、郵便番号まで覚えてはいない。

もうひとつは、「ああ、そこなら隣にコンビニがあるでしょう」とカマをかけるのもいい。そのあたりの地理がわからずに、同伴者の表情をうかがったりしたら、偽物やとわかる。「そこならよく通りますから、今度遊びにいってもいいですか」といって、「いや、めったに会社にはいないんですよ」などと答えたら、まずサクラや。

相手の名前が偽名でないか探る方法もある。これは、ある程度の知識が必要やが、「ほー、青木さんというと、作家で有名な方がいますな。代表作が、あの……」と相手に答えさせるのや。ふつう、自分の本名と同姓の作家の代表作は、読んでいなくても題名くらい知っているもんや。

地名を利用する方法もある。「青木さんというと、富山県に青木湖という湖がありましたなあ」とカマをかけ、相手が「いや、あれは長野県ですよ」と正しく答えるようならば本物の可能性が高い。だれでも、自分の本名と同じ地名が日本地図の中にあるのかどうか探したことが一度くらいはあるはずだから、だいたいの位置くらいは覚えているもんや。

 

このセリフが出たら要注意

話をしていて、いやに頻繁に笑うやつも怪しい。おかしくもない場面でなにかというと笑うのは、ウソがバレそうになって、表情がひきつりそうなのをごまかすためや。

わけもなくニコニコして、やたらと相手をおだてる人間は、まずは疑ってかかったほうがいいだろう。必要以上にフレンドリーなのは、だまそうとしている証拠や。

だまし通そうとするあまりに、すぐに怒るやつもいる。「そういうことなら帰りますよ」というが、けっして帰ろうとはしないタイプや。

さらに、なにかというと「信用してくださいよ」「ウソじゃありませんよ」などというおかしな口癖があるやつは、あまり信用されたことがないという証拠やな。

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