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消える昭和の役職 …「部長」はなぜ古くてダサい存在になったのか?

山田理(サイボウズ株式会社取締役副社長 兼 サイボウズUS社長)

2019年11月13日 公開 2024年12月16日 更新

 

みんなが疲れる「権威ごっこ」はもうやめよう

ただこれって、だれもが簡単にできることではないですよね。
となると、「この人が言うことはもっともだ」「この人こそが正しい」と部下に思ってもらうためには、役職者には権威がある、と思わせるしかありませんでした。

だからこそ、これまでマネジャーは「選ばれし者」でなければならなかったし、人格者である必要がありました。上に立つ者は高級なスーツを着て、品位を落とすような発言や行動を慎むべき、下位の者は上を立て、という価値観があったのでしょう。

もはや、それは「権威ごっこ」です。

こうしていつの間にか、マネジャーとは「地位」であるかのようにみんなが錯覚していったというわけなのですが……。

そんなの、もうしんどいですよね。偉ぶるのも、へりくだるのも。
権威が必要だったのは、情報やスキルが不足していたから。

しかしいまや、必要な情報はだれでも得ることが可能な時代です。むしろ最新の知見は現場のほうが明るい、という場合も多い。意思決定の材料となる情報は、すでにメンバーが十分に持っています。

つまり、スキルや情報をマネジャーだけが持っている必要はなくなりました。

であれば、もうマネジャーは、無理に自分を大きく見せる必要はないのです。

やることは、「あなたはどう思う?」「この場合はどうしたほうがいい?」と、メンバーの意見を聞き、情報を引き出すこと。そして、最終的な意思決定をすることだけです。

「弱みなんて見せられない」と虚勢を張らなくてもいいし、決して「部下がついてくる人物にならなければ」と肩に力を入れる必要もありません。

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