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テレワークで発生する“後回し病”…「すぐやる人」になる魔法の言葉

石川和男(税理士/社会保障経済研究所代表)

2020年04月23日 公開 2022年12月28日 更新

 

「まず1回」をやれば、1回で終わらなくなる

もう1つ「すぐに行動する」ためのヒントを紹介します。

心理学者のクレペリンが発見したと言われる「作業興奮」。簡単に言えば、「作業をやることで脳が興奮し、その作業をやり続けたくなる」という作用のことです。

たとえば、「なわとびを毎日100回跳ぶ」という目標を立てて、実行するとしましょう。最初の数日は、なんなく100回跳べるはずです。

しかし、何日か経つと「今日は寒いし、なんとなく手首が痛いな」などと、言い訳を考え出してサボってしまいます。そして三日坊主の道にまっしぐら。

こんな三日坊主を、どうやって回避するか?

答えは簡単。それは、1回でも、跳ぶ!

「今日はサボりたいな」と思ったとき、「また明日からやろう」ではなく、「1回跳んだら終わりにしよう」と思うのです。這はってでも外に出て、1回でいいから跳ぶ。

1回でも跳んでしまえば、こっちのものです。

せっかくだからと2回跳び、3回跳んで、10回跳んで、「えーい、やっちゃうか!」と勢いづいて、結局100回くらい跳べてしまうのです。1回でも跳べば、「作業興奮」が脳内に発生し、跳び続けようと無意識のうちに思うのです。

仕事も同じです。面倒なのは「はじめていないから」なのです。だからこそ「5秒ルール」でとにかくはじめることが重要なのです。

はじめてしまえば、人はなかなかやめられない。「少しでいいからやってみよう。3、2、1、GO!」が最速で仕事を処理するコツなのです。

 

真の問題点は「動かないと見えない」

行動することが不安でなかなか動けない……という悩みをよく聞きます。

そういう人のなかでも、日常的な業務は、割合スムーズに進められる人が多くいます。しかし、次のような仕事をはじめるときは、どうでしょう?

「初めての仕事」
「クリエイティブな仕事」
「難易度の高い仕事」

この手の仕事をはじめようとすると、一気に不安になり、思考停止になって、最初の一歩が踏み出せなくなってしまうのです。

と偉そうに語っていますが、実は以前の私もそうでした。新たな一歩を踏み出す前には、失敗を恐れるあまり、とにかく情報を集めまくるタイプの人間でした。

税理士の資格を取得して「いざ、開業に踏み出そう!」となったときには、

「いや、待てよ……。法人税と相続税は重要な税法なのに、自分は受験していない。開業前に勉強して極めておかないとダメだな」

「いや、それ以外の税法も、専門学校のDVDで事前に勉強しよう」

「会計用ソフトを購入するならパソコンの知識がいるから、そっちの本も熟読しないとな」

などと考えるばかりで、なかなか開業という一歩が踏み出せないでいました。

しかし、これこそが仕事が遅い人の陥おちいる罠わななのです。なぜなら、動いてみないと本当に大切なポイントはわからないからです。事実、いろいろと考え抜いた私は、とにかくまずは開業しようと改めました。

開業してから弱いところは修正していけばいい。

そう考えて、開業に踏み切ってみると……ほとんどの心配は杞き憂ゆうだったのです。

相続案件はそんなに来ないし、会計ソフトは素人でもわかるような解説付きで、簡単に操作ができたのです。

むしろ開業したことで、本当に大切なポイントが見えてきました。

それらのポイントは、開業前の自分では思いもよらなかったものばかりでした。こんなことなら、もっと早く開業すればよかった、と思ったほどです。

だから本当の課題や問題点を見つけるためにも、まず動くことが大切なのです。

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 何度も試していると、最終的に仕事は速く終わる

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