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「世界一教育にカネをかけない国」日本が生み出した“教師のブラック労働化”



2020年06月24日 公開

妹尾昌俊(教育研究家)

世界一教育にカネをかけない国、日本の末路(妹尾昌俊)

《いま、日本の教師は危機的状況にある。年間5000人が精神疾患休職となる「死と隣り合わせの現場」で働き、その過酷な労働環境が「学ばない教師」「信頼されない教師」を生み出している。しかもその背景には、日本の教育の「構造的な大問題」がある、と全国の学校現場を渡り歩く教育研究家の妹尾昌俊氏は指摘する。

そこで今回は、そんな妹尾氏の著書『教師崩壊 先生の数が足りない、質も危ない』から、「データとファクトに基づく日本の教育状況」について一部抜粋・編集の上、紹介する》

 

日本の教育で「世界トップクラス」なのは?

最初に、ちょっとしたクイズをしたいと思います。
日本の教育が世界で1番(トップ)なものがあります。それはなんでしょうか?

答えは数学と科学の「学力」です。

図はOECD(経済協力開発機構)のPISA(生徒の学習到達度調査)で、各国の15歳の「学力」を測った結果を示したものです(日本では高校1年生の6~8月)。

PISA2018の各国平均点と順位

日本は数学と科学で、OECD37か国中、それぞれ1位、2位です。ここ10~15年の推移を見ても、数学と科学についてはトップクラスを維持しています。直近では79の国・地域がPISAに参加しましたが、そのなかで比べても、日本は数学6位、科学は5位と上位です。

その一方、読解力(リーディング・リテラシー)は、直近の2018年はOECD中11位、79の参加国・地域中だと15位と、数学と科学に比べてやや苦戦しています。このことはニュースでも大きく取り上げられました。

「学力」の高さについては、もちろん家庭や社会の影響もあります。日本では教育熱心な家庭が多いこと(学習塾の影響など)も一つの要因になっているだろうと思います。

とはいえ、数学と科学が世界トップクラスである背景には、小中学校(あるいは保育園・幼稚園も含めて)の頑張りもかなり影響していると推測できます。

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