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1億円を超え、4000人以上が集結…苦境の宿泊施設を救う「無名サイト」が誘った涙

竹内謙礼(有限会社いろは代表取締役)

2020年07月08日 公開 2024年12月16日 更新

1億円を超え、4000人以上が集結…苦境の宿泊施設を救う「無名サイト」が誘った涙


「飛騨古川 八ツ三館」の女将・池田理佳子さん。種プロジェクトでの支援に奮い立たされた一人。

 

無名のクラウドファンディングに4,000名を超えるサポーターが

県外移動の自粛が解除になったが、観光業のダメージは深刻な状況が続いている。業績が本格的に回復するのは、まだまだ先のように思われる。

そのような厳しい中、宿泊施設を勇気づけている「種プロジェクト」というサポート制度に注目が集まっている。

仕組みを簡単に言ってしまえば"未来の宿泊費の前払い"だ。自分の気に入った宿泊施設に1口5000円から前払いすることが可能で、入金が確認されると、宿泊施設のほうからサポートした金額分の「サポーター証書」が送られてくる。

そのまま宿泊券として利用することができて、3年以内に泊まりに来てもらえれば、前払いした金額分だけ宿泊費の割引を受けることができる。

この種プロジェクトによって、宿泊施設側は当面の運転資金を確保できる利点があり、前払いした側も、応援コメントを種プロジェクトのサイトに載せることができて、宿泊施設で働く人たちを励ますことができるのである。

私はこの話を聞いたときに、正直、「そこまでお金は集まらないだろう」と思っていた。コロナ禍の収束が見えず、いつ安心して泊まりに行けるか分からない中、遠方への旅行を計画する人は、そう多くないと思っていた。

しかし、この予想は大きくはずれることになる。

サイトの立ち上げから2ヶ月弱でサポート総額は8500万円集まり、緊急事態宣言解除後の5月26日には1億円を突破した。この原稿を書いている7月1日現在で、1億3000万円以上を集めて、サポーターの総数は延べ4303名、登録している宿も100軒を優に超えていたのである。

クラウドファンディングが盛況であることは認めるが、無名のサイトで、これだけたくさんの人を巻き込んだ事例は非常に珍しい。どんな団体が運営しているのが気になり、種プロジェクトに取材を申し込むことにした。

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大きすぎる反響に運営が頓挫する危機も…

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