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ついに「若返り」が可能な時代に? テクノロジーが生み出す“寿命を選択できる世界”



2020年10月07日 公開

大賀康史(フライヤーCEO)

大賀康史(フライヤーCEO)

ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。
こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイス。

今回、紹介するのは『LIFESPAN 老いなき世界』(デビッド・シンクレア/マシュー・D・ラプラント著、梶山あゆみ訳、東洋経済新報社刊)。ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務める著者が、最先端科学とテクノロジーによって老化のメカニズムを解き明かす。

この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。

 

私たちの体が老化しない世界の足音が聞こえる、人類の希望の本

LIFESPAN 老いなき世界

不老不死への人類の願いは歴史上ずっとあり続けてきました。秦の始皇帝は中華統一の後、不老不死の薬を探して多額の資金を使った末、実際は有害物質である水銀を飲んだと言われています。

始皇帝ではなくても、全ての人が一定の年齢を超えると、「老い」を抗えないものとして受け入れざるをえませんでした。

しかし、著者によれば老化は「病気」なのです。順調に研究の成果が積み重なれば、生命の普遍的真理だと思われた老化の定めを覆す可能性を秘めています。すでに老化の原因は概ね見えてきており、今後は老化を遅らせることや、場合によっては時計の針を戻してしまえるかもしれません。

衝撃的な研究成果を見せられても、私たちの多くは今までの「常識」にとらわれているので、騙されないぞ、と身構えてしまいます。しかし本書の著者は、ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授として終身在職権を得た権威です。主な研究成果には、世界最高峰の研究機関によるお墨付きがあります。老化という課題は老若男女問わず、全ての人に関わります。期待を抱きつつ、主な成果に触れていきましょう。

 

人の寿命を形作る決定的な要素とは何か

細胞の分裂過程において、重要な情報の1つはDNAだと言われています。DNAを構成する基本単位はアデニン、グアニン、シトシン、チミンと呼ばれるデジタル情報です。

細胞の性質を決めるもう一つの重要な要素は、エピゲノムと呼ばれるアナログ情報です。エピゲノムは、分裂した細胞が皮膚細胞になるのか、脳細胞になるのかという重要な機能分化を指令します。

そして、細胞を老化させるのは、エピゲノムの劣化に伴う情報の喪失です。老化は1つの疾患、つまりは病気だといいます。私たちはエピゲノムの劣化を修復すれば、若返ることができると著者は言い切ります。

がんや心臓病などのほとんどの慢性疾患は、年齢が高くなるにつれ指数関数的に発症確率が高くなる傾向があります。そのため、高齢でなりやすいある1つの病気の治療法が見つかったとしても、他の病気にかかるリスクが高いままなので、寿命はほとんど変わりません。死因になりやすい疾患の最大の源は「老化」そのものなのです。

 

寿命をコントロールできる可能性を秘めた研究成果

『LIFESPAN』にはいくつもの重要な研究成果が紹介されています。その中でもとりわけインパクトが大きそうな研究をピックアップします。下記の多くでは、すでにマウスでの研究成果が表れています。

・<老化を防ぐ>レスベラトロール、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NMN(ニコチンアミドモノヌレオチド)などの摂取により老化を抑制して、寿命を延ばせる。

・<老化細胞を破壊する>加齢とともに蓄積される老化細胞を、セノリティクスと呼ばれる老化細胞除去薬で死滅させる。

・<人体の組織を再生する>外部から山中因子とよばれる遺伝子を導入することにより、細胞のリプログラミングを行い、組織を再生させる。

医学的な専門性の高い内容なので、詳しくは本書の記載を参照いただければと思います。一つ補足すると、これらの研究成果から言えるのは、単に寿命が延びることではありません。細胞の年齢を若く維持することができるので、いわゆる「健康寿命」が延びるということです。科学やテクノロジーに信頼を寄せる人なら、もしかしたら未来は若返ることすらも可能かもしれない、と考えるのも自然ではないかと思えます。

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私たちは年齢を選択できる世界の入り口に立っている >



著者紹介

フライヤー(flier)

ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。(https://www.flierinc.com/)

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