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子どもの"こころとからだ"を守るため…アメリカの親が教える「バウンダリー」とは

レイチェル・ブライアン(著),中井はるの(訳)

2020年11月28日 公開 2023年01月18日 更新

レイチェル・ブライアン

普段から「バウンタリー」を意識すれば、もっと人間関係に前向きになれる

さらにページをめくってみましょう。

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(おや、こんなところに貼り紙があります。)

《ハグ(ぎゅーっとするとき)のルール》

(じっと貼り紙を見ているのは、隣のうちの子。)

ふーん。この子がハグしてもいいのは、「たいていマル」の欄の人たちか。
「お母さん、弟、おばあちゃん、そして飼い犬」。
「たいていバツ」の欄には「近所の人、お母さんや家族の友だち、知らない犬」か。へえ~。

そういう人たちのことは知っているし仲良くするかもだけど、「ハグはしたくない」ってことだね。なるほど。じゃあ自分はどうだろう?

(その子は考え始めました。)

たしかに、馴れ馴れしくしてくる親の友だちってほんとはイヤ。でも、「いい子だね!」なんて言われて大人が頭をなぜてきたり、「大きくなったね」なんて言われて突然「ぎゅーっ」とかしてくると、「やだ!」って思うけどなぜだかそれは言いにくかった。

でもそうか、こうして考えたら自分が「イヤだ」と思ってることがわかったし、自分が「この人とはハグはしない」と決めたら、しなくてもいいんだ!
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自分のバウンダリーを意識して、
「いい、イヤ、ダメ、などは自分が決めればいいんだ!」
そう考えたら、なんだか勇気が出てきて、急に気持ちが明るくなります。

逆にイヤなことを人にされるばかりでいたら、悲しいうえに無力感にとらわれ、とうていハッピーではいられませんよね。普段からバウンダリーに踏み込まれてばかりいると、そういう気持ちになりがちです。

自分で自分のことを決められない、というのはそれだけ辛いことなのです。

最初は大したことのない「ちょっかい」だからと何も言わずに見過ごしていると、そのうちイジメやハラスメント、暴力につながってしまうことも、よくあります。

大人でも、「バウンダリー」を知らず、その意識もない人はたくさんいます。そういう人は、自分の気持ちで判断することができなかったり、遠慮しすぎたりして、イヤなことをされても「イヤだ」と言えないかもしれません。

また逆に、「バウンダリー」を知らないために、平気で相手のラインを踏み越えて、嫌がることをしてしまっている人もいるかもしれません。

でも、あらかじめ、人と人の間には見えない境界線があるのならば、相手がどんな立場であれ、どんなふうに言葉で説得してきたとしても、「イヤなものはイヤ」と言っていいんです。

親でも、友達でも上司でも、最愛のパートナーでも、バウンダリーを越えてあなたの国(こころやからだ)に勝手に踏み込んでくる権利は誰にもないのですから!

お互いを尊重し、相手の意思を聞く。それが「同意」です。そのために、人との距離感がわかり、YES、NOの判断がしやすくなる新たなパワーワードが、「バウンダリー」。

この本でとてもわかりやすく紹介されているこの言葉「バウンダリ―」をぜひ覚えて、日常で意識してみてくださいね! これさえきちんとわかっていれば、きっと、あなたもお子さんも家族のみなさんも、もっと、のびのびとして、生きやすく、楽しく、毎日を送れるはずです!

 

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