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無理なく「続ける」ための心理テクニック

池田義博(記憶力のグランドマスター)

2021年03月04日 公開 2022年10月17日 更新

読書

50分の1ページずつ読む、一生読書が習慣化する方法

またこの条件型計画に加えてもう一つ習慣化を実現する方法を紹介したいと思います。こちらの目的は主にページ数がものすごく多い本を読むときなどに効果的な方法です。方法というよりも考え方といった方が近いかもしれません。それは「スモールステップ」という考え方です。

アメリカの心理学者であるバラス・スキナー教授によって提唱された方法です。大きな目標に向かう場合、挫折してしまうのを防ぐために、その目標を細分化してその小さな目標を短いスパンで達成していくことで最終目標に近づいていくという方法です。

例えば500ぺージを超えるような本を読み切るのは誰にとっても大変なことです。たとえその本が自分にとって有益と分かっていても腰が引けてしまうかもしれません。そう感じるのはたぶん500ページという全体のボリュームを一度に見てしまうからなのだと思います。

そこでその500という量を細分化するというわけです。例えば500ページとはいえ、毎日10ページずつ読んだとするならば、50日で終わる計算です。そう考えるとだいぶ気持ちは楽になるのではないでしょうか。

そしてさらにスモールステップごとに達成感を味わうことで、次へのモチベーションが高まることにもなります。その達成感をより味わうための方策が結果の「見える化」です。

例えば先ほどの500ページを10ページずつに区切って読む進め方をしたとするならば、10ページ終了ごとに読み終えた記録を目に見える形で残していくということです。

大きな紙に50個のマス目を書き、10ページ終わるごとにそのマス目を一つずつ塗りつぶしていくのです。これを見ることで達成感がより高まるというわけです。これを続けていくうちに塗りつぶす行為が動機付けになってくればしめたものです。

未完成のものは続きが気になるという心理現象「ザイガルニック効果」もあいまってより早く次に進みたいという欲求が生まれてくると思います。

 

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