1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. 「寝て忘れる」は逆効果? コロナ禍で抱えた“不安”をやわらげる24の方法

生き方

「寝て忘れる」は逆効果? コロナ禍で抱えた“不安”をやわらげる24の方法

堀田秀吾(明治大学教授)

2021年07月07日 公開 2022年06月06日 更新

 

「不安をすぐになくす」ためにするといいこと

●コインを投げて決める

不安で踏み出せないときは、コインを投げて裏表でやるかやらないかを決めてしまいましょう。コインの表が出るか裏が出るかはあまり関係ありません。悩みの解決に向かって何かしらの行動を起こすと、のちの幸福度が高くなることがわかっています。

●抱きしめる

恋人などの親しい関係の人と頻繁にハグやスキンシップをすると、幸せホルモンのオキシトシンが増加することがわかっています。ただ、時勢を踏まえると直接人と触れ合うのは難しいものです。そういうときは抱き枕などをハグしながら電話するだけでも、ストレスホルモンのコルチゾールが減少し、幸せホルモンのオキシトシンが増加します。

●捉え直しをする

ネガティブな表情の人を見ると不安になります。そんなときは、「この人はきっと朝、家族とケンカしたんだ」のように、自分でその理由を捉え直すだけで、不安の反応を示す脳の部位の活動が低下します。また、不安なときに「私は興奮している」と現実を捉え直すと、パフォーマンスが向上するという研究もあります。

●不安を書き出す

不安なことを書き出すと、その後の作業効率が上がります。1日15分間~20分間、ネガティブな感情を書き留めることを続けると、数週間後にはポジティブ思考になり、自律神経の改善などにも効果があります。

●フェイク・スマイルをする

脳は体の動きを常にモニタリングし、自分の状態を把握して感情を生み出しているので、笑顔でいると「自分は今、楽しいんだ」と認識して、楽しい気持ちになっていきます。不安なときはとにかく笑顔を作りましょう。笑顔だと作業効率も上がるという研究結果もあります。

●「三人称語り」で冷静さを取り戻す

人間関係の不安があるときは、「私はどう感じているのか?」と「私」を主語にするのではなく、「今、彼はどう感じているのか?」と三人称を主語にして客観的視点から状況を把握してみます。すると、不安に関わる脳の部位の活動が急激に低下します。

●元気な動きをする

飛び跳ねるようなハッピーな動作をするとポジティブな感情が、肩を落とすなどの悲しみを表す動作をするとネガティブな感情が生まれます。また、同じ側の腕と脚を同時に動かしてスキップするなどの、普段しないようなヘンテコな動きやオーバーアクションも効果的です。

●盆栽を眺める

1分間盆栽を眺めると副交感神経の活動が上昇し、交感神経の活動が抑制されたという実験があります。盆栽にはリラックスをもたらす効果があるということです。ビオトープを4分間眺めるのも同様の効果があります。

 

「何があっても動揺しすぎない」ために普段からするといいこと

●週に1回、「一日五善」をする

ボランティアで清掃したり献血をしたりするなど、他者のために行動することは、メンタルヘルスの向上に効果的です。1週間のうち一日だけ、親切な行動をまとめて五つ行なうのがベストです。利他の精神で過ごしてみましょう。

●完璧主義をやめる

私たちの心配事の9割は現実にならないという調査があります。何かと不安になってしまいがちな人は、不安を払拭するために完璧を目指して動き回りがちですが、あえて何もせず、「やらなくても意外と平気だった!」という経験を積んでいくことが有効です。

●他人の幸せを願う

道ゆく人々に対して、「幸せになってほしい」と優しい気持ちを抱くだけで、幸福度が高くなり、不安が減少し、共感性や他者とのつながりにおいてもプラスの作用が働くということを明らかにした研究があります。これは、その人の性格によらず効果的だと言われています。

●週に1回は森林浴をする

週に1回、自然の中に行きましょう。自然の中で週に120分以上過ごすと健康にもいいし、幸福感が得られることがわかっています。ただ、1週間あたり200~300分でピークに達し、それ以上でも効果は変わりません。

●友人をたくさん作る

友人や知人の数が多い人のほうが我慢強いというユニークな研究結果があります。社会的なつながりやコミュニケーションによって、鎮痛作用を持つ脳内神経伝達物質、βエンドルフィンの分泌が促進されるのです。

●「自分は運がいい!」と思う

自分が幸運だと信じている人ほど、幸運な情報を見つけやすいものです。一方で、自分は運が悪いと思っている人は、消極的かつ非社交的な傾向が強くなります。不安や不運に負けないように、自分は幸運だと思う習慣を!

●共感力をアップさせる

共感力を育てると、つらいシーンに遭遇してもネガティブな影響が減ることが判明しています。共感力は物語や小説を読むことで高まります。登場人物に感情移入して読むことが、他者の人生への共感や理解につながります。

●ハッピーな人と付き合う

ハッピーな友人がいると、自分のハッピー指数も著しく高まることを示す調査があります。人は共感する生き物。ネガティブな人とは距離を置き、ハッピーな人と一緒に過ごすようにしましょう。

 

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×