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クヨクヨ、イライラ...「気にしすぎてしんどい」繊細な自分との付き合い方

2021年08月26日 公開

井上智介(精神科医、産業医)

井上智介

ちょっとしたことが気になって落ち込んでしまう…。でも、それは当たり前のこと。精神科医の井上智介氏が、そんな自分を否定せず受け入れ、対処する方法を紹介します。

※本稿は、『PHPスペシャル』2021年9月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「他人からの目」は人類の大きなテーマ

何も不自由なく生活を送っているのに、誰かに嫉妬心を抱いてはいませんか。または、いつも自分は周りから見られ、評価されていると感じてはいませんか。もしかしたら、あなたは誰かと比べ、他人の視線ばかり気にしている自分に、嫌気がさしているかもしれませんね。

ただ、このように「自分は他人からどのように見えているのか?」と気にするのは自然なことであり、誰しも多少はある感情なので、悩む必要はありません。

元来、人間の暮らしは集団生活を基本としており、他者との共存が必要でした。原始時代では、他者と共存がうまくできないと、安定して食料を手に入れられず、死に直結する可能性もあったのです。その影響で、他者との共存は、今でも人類にとって遺伝子レベルでプログラムされた一つの大きなテーマなのです。

 

人は相反する価値観を併せ持っている

しかし、恐らくあなたも幼少期から「100点をとりなさい」「クラスで一番になりなさい」と、他人より抜きん出ることが良いことだと教えられてきたのではないでしょうか。

つまり、あなたの心の中には、「他人と足並みを合わせ、うまく関係を築きたい」という思いと、「他人より優秀でいたい」という思い、二つの矛盾した思い、価値観が存在していて、時にどちらかが色濃く顔を出すのです。

だから、つい誰かと比較してしまうこともあれば、他人からどのように見られているか気になってしまうこともあるのです。これは仕方がないことであり、そうなる自分を責めないでください。「人間、そんなもんだよなぁ」くらいに受け入れてしまいましょう。

 

気にして「クヨクヨする」ときの3つの対処法

(1) 小さな親切を行なう

誰かと比べてクヨクヨしてしまうときは、自分の存在価値がわからなくなっています。このようなときは、「自分は誰かの役に立てている」という感覚を取り戻すために、小さな親切を行なってみましょう。

決して大きな親切でなくてかまいません。「後ろから来る人のためにドアを開けておいてあげる」「落ちているゴミを拾って捨てる」など、身近なところから始めてみましょう。このとき、誰かからの感謝の言葉は期待せず、自分で自分を褒めてあげましょう。

(2) "今"という時間に集中する

つい先のことを考えすぎて、「新しい部署に馴染めなかったらどうしよう」「今度の月末、姑に会いにいきたくない」など、不安や心配になることがあると思います。そのようなときは、"今"というこの瞬間に集中してみましょう。

今、あなたが取り組んでいる家事や仕事に集中するのです。未来のことは誰にもわからず、考えても答えは出ません。そこで悩んでしまうくらいなら、もっと見つめる先を短くして、"今"必要なことだけを考えてみましょう。

(3) 当たり前の日常をふり返る

ちょっとしたことが気になって、自分の存在や能力を否定的に捉え、落ち込んでしまうときは、日常をふり返り、今あるものや、できていることを考えてみてください。

あなたには、今日食べるものがあり、着る服があり、雨風をしのいで眠れる場所があるはずです。あまりにも当たり前になっていて忘れがちですが、これは本当に幸せなことです。それを意識するだけでも、充分に心が満たされますよね。

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