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脳科学者・中野信子が「集中力は身につけるものではない」と語るワケ

中野信子(脳科学者)

2021年12月03日 公開 2023年10月13日 更新

 

快適にすればするほど集中力は高まる

電話もメールと同じように、集中している状態を邪魔するものの一つです。可能なら、留守電か、マナーモードに設定しておくのがいいと思います。私は、集中して仕事に取り組んでいるときは、基本的には電話に出ないようにしています。

さらに、仕事や勉強に取り組む上では、「快適さ」ということも大切な要素です。

座りにくい椅子、寒すぎたり暑すぎる部屋、窮屈な衣服などは、長時間の作業には向きませんよね。私は、そういう状態をできるだけなくしておくようにします。部屋は適温にして、椅子に座るときも負担が大きくならない姿勢を保てるようにし、着慣れた服で作業します。

快適さに関連したこととして、私は香りの良いものも使っています。私は香水を集めているのですが、作業の間は良い香りを身につけておくのです。身の回りを良い香りにしておくと、適度にリラックスした良い状態で、作業が続けられるのです。

一説によれば、勉強や仕事には、柑橘系の香りが良いといわれているようです。

でも、集中するための道具として香りを使いたい場合は、あなたの一番好きな香りを選ぶのがベストではないでしょうか。「より快適に作業ができそうな香り」は、あなた自身が一番よく知っているでしょうから。

 

著者紹介

中野信子(なかの・のぶこ)

脳科学者

医学博士。東京大学工学部応用化学科卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年から‚10年までフランス国立研究所ニューロスピンに勤務。帰国後、メディアや講演など幅広く活躍。脳科学、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく紹介することに定評がある。『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)など著書多数。

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