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片づけられない、忘れ物が多い...発達障害の境界線はどこ?

姜昌勲(医学博士)

2022年03月03日 公開 2024年12月16日 更新

片づけられない、忘れ物が多い...発達障害の境界線はどこ?

部屋を片づけるのが苦手、段取りよく料理できない…。その原因、もしかしたら「発達障害」かもしれません。1人で悩まず、まず自分を理解し、そして専門家に相談の上で周囲の理解を求められるようにしましょう。

※本稿は月刊誌PHP『PHPくらしラク~る♪』2022年1月号より一部抜粋・編集したものです

 

どこからが発達障害?

「片づけられない」「忘れ物をする」など苦手や失敗は誰にでもあることです。では、どこからが発達障害になるかといえば、その境界はあいまいです。たとえば、「ビニール傘を失くす」と「財布を失くす」では「質」が違います。

また、失くす「頻度」も関わります。発達障害は、この質と頻度で診断していきます。そもそも発達障害とは、集中力がなく落ち着きがない症状があるADHD(注意欠如多動性障害)、対人スキルや興味の偏りなどがあるASD(自閉症スペクトラム)、読み書きや計算能力に困難があるLD(学習障害)などの総称です。

なかでもADHDは大きく2つのタイプがあります。1つは落ち着きがない「多動衝動優勢型」で、もう1つは忘れ物や失くし物が多い「不注意優勢型」です。

「多動衝動優勢型」は男児の患者さんが多く、「不注意優勢型」は大人の女性の患者さんが圧倒的に多くなります。主婦業がメインになると「不注意優勢型」の苦手なことがクローズアップされてしまうのです。

ASDにもさまざまなタイプがあります。空気が読めないタイプの方が主婦業メインになると、ママ友や地域のつきあいで苦労される方が多いようです。LDはだいたい幼少期で受診される方が多いので、今回は「ADHD、ASDかもしれない」と案じている方への対処法についてお話しします。

 

自分に合った仕組み作り

じつは私自身もADHDであることに大人になってから気がつきました。片づけなどは苦手ですが、日々の診療では患者さんの目の前で診断書を仕上げ、作業がたまらないように気をつけています。また、原稿執筆などは「監視される状況に自分を置く」という方法でクリアしています。

このように、自分に合った「仕組み」を見出だすことで、苦手な分野をカバーし、能力を発揮できるようになります。発達障害でない方も、ぜひ参考にしてみてください。

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つい買い物をしてしまう...ADHD(多動衝動優勢型)

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