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好きじゃないけど好かれたい...「相手に尽くしてばかりの人」に共通する心理

2022年05月11日 公開

加藤諦三(早稲田大学名誉教授・ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

他人に尽くす

メランコリー親和型の人とは、自分よりもまず他者に配慮し、友好的な人間関係の構築を重視する人々のことを指す。そんなメランコリー親和型の人は、相手からの評価を気にして、執拗に評価に依存してしまうことも。他者からの評価に囚われた人に共通する心理について、早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏が解説する。

※本稿は、加藤諦三 著『[新版]自立と孤独の心理学 不安の正体がわかれば心はラクになる』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集してお届けする。

 

「趣味を楽しめない...」その訳は?

よく趣味を持つことが大切だという。しかしメランコリー親和型の人にとって趣味を持つことほど難しいことはない。趣味はまさに自分のための行為である。趣味のために過ごした時間は、無駄にした時間と感じられてしまう。そしてかえってその後で焦る。

趣味は人を喜ばせるためでもないし、名誉やお金を得るための行為でもない。純粋に自分のための行為である。

「他人との関係は、尽くす(Leisten)ということを媒介としていとなまれる。メランコリー親和型の人は、けっして無条件にはものを受け取ることができない)」(『メランコリー』H・テレンバッハ著、木村敏訳、みすず書房、156頁)。尽くすことを通じてしか他人と会うことができない。

自分のためにもなるし、相手のためにもなるという付き合い方ではない。ただ相手のために尽くすのである。自分もそれをするのが楽しいし、相手にも楽しいという付き合い方ができない。

彼らは自分のしたいことをして、人生を楽しむということができない。自分のしたいことがないし、自分のしたいことをすることに罪悪感を覚える。

人は自分自身のために生きていいのだということがどうしても彼らには感じられない。彼らはそれでは生きられないのである。

 

心の支えがないから、人からの評価を求める

自分自身のために生きられる人が他人のために尽くした時には、相手を束縛しない。相手も気分がいい。しかしもともと自分自身のために生きられない人が、相手に尽くすと相手は束縛感を覚える。自分自身のために生きられない人は、恩着せがましくなる。

自分自身のために生きられない人はおそらく愛情飢餓感が根底にあるのではないかと推測される。

つまり何よりもまず相手との関係が大切なのである。相手との関係から最大の満足が得られる。何よりもまず自分が相手から求められる存在でありたい。求められることに何より生きがいを感じる。

愛情飢餓感が強ければ相手からより求められ、より感謝され、より賞賛されることをしていないと安心できない。一人で静かに自分の楽しみである趣味をしているなどということは不安を増大させるだけである。その間にお金や名誉のためになることをしていたほうが安心である。

メランコリー親和型の人の行動は基本的にやはり愛着行動なのではなかろうか。まさか大人になって小さい子供のように母親の後を追うことはできない、いわんや母親の膝の上に座ることはできない。しかしそのような欲求はその人の中にある。その代理行動を大人はとるしかない。

つまり相手のことをすることによって相手から愛情を得ようとするのである。それが得られないといって小さな子供のように泣き叫ぶわけにはいかない。しかし本質的には同じことである。

メランコリー親和型の人は自分で自分を支えることができないのである。

人はまず自分の心の支えを求める。その心理的支えができてから初めて自分の潜在的能力の実現ということが重大になるのである。

彼らに人の評価などどうでもいいという言い方をするのは、心の支えなく生きていけと言うに等しい。

心の支えがある人が名誉を求めるのはあくまでもwantである。しかし心の支えが自分の中にない人が名誉を求めるのはmustである。したがって富や名誉を求めるのが強迫的になるのである。

心の支えを持つ人が名誉を求める努力をすることは辛くない。しかし心の支えを名誉に求める人が、名誉を得るために努力することは辛い。強迫的になる。それ以外のことをしていると不安と憔悴感に襲われる。そしてその努力は失敗の恐怖を伴う。成功できないということは心の支えがなくなるということである。まさに成功しなければならない。

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