脂質異常症の原因が大さじ3杯のごま?
イラスト:平澤南
連日テレビでは「健康に良い食品」の特集が組まれ、放送後にはスーパーからその食品が姿を消すのは日常茶飯事ですね。
和食に使われる伝統的な食材の頭文字をとった「ま・ご・わ・や・さ・し・い」という言葉はよく聞かれます。
「ま」は豆、「ご」はごま、「わ」はわかめ(海藻類)、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はシイタケ(キノコ類)、「い」は芋です。
どれも健康に良いとされる食材ではありますが、私は「これを食べるといい」と特定の食べ物をすすめるときには、なるべく具体的な「摂取量」もあわせて提案するようにしています。
以前、「ごま」が体に良いと聞き、一日に大さじ3杯も「いりごま」を摂取していた方がいました。健診で脂質異常症と指摘されましたが、心当たりがないため、とても驚いていました。
必ずしもごまのせいとは言い切れませんが、食生活の中身を見ても、極端に肉類や乳製品をとっていなかったので、ごまの影響は少なからずあると思いました。
大さじ3杯は明らかに食べすぎです。
1食分のごま和えに使用する、すりごまは小さじ1〜2杯ほどですから、どうしても毎日摂取したいのであれば、その程度の量にとどめていただくのが無難です。
どんなに健康に良いとされる食品でも、食べすぎて病気になってしまっては本末転倒です。「健康のため」と無理にとる必要はありません。