なかなか話が続かないのは、相手があなたの話に飽きてしまっているからかもしれません。
社会心理学者の渋谷昌三氏が、相手に好意を抱かれやすい話し方と、相手が話に飽きていないかを確認する方法を紹介します。
※本稿は、渋谷昌三 著『「見た目としぐさ」でホンネを見抜く心理学』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
一方的に話しすぎ?
最近、こんな光景を目にした。2人の女性が話をしている。一方の女性は、身振りや手振りをまじえて話に熱中している。ところが、相手の女性はほとんど動かないで、コーヒーを飲んだり、ケーキを食べたりしている。
親しい人同士が話している時には、笑ったり、うなずいたり、手を動かしたり、視線を向けたりする動作が、2人の間で一致することが確かめられている。
これはインタラクショナル・シンクロニー(相互の同調行動)とよばれる。いわば、数人で演じるアーティスティックスイミング(以前はシンクロナイズドスイミングと呼ばれていた)で、それぞれの人の手足の動きがぴったり合っている様に似ている。
「あなたは一方的に話しすぎている」「もう話したくない」といった話し相手のシラケた気持ちは、その相手がインタラクショナル・シンクロニーをしないことに表れている。これでは、どんなに熱心に話しても、相手に好きになってもらえそうにない。
初対面の好感度は「シンクロ」で上げよう
初めて会った人同士でしばらく雑談してもらう。その時、一方の人(実験のサクラ)には、「相手の言動をまねながら話してください」と頼んでおく。
こうした実験により、まねされていた人は自分をまねていた人に好意を持ちやすいことがわかった。
なお、この場合、まねされていた人の中で、話し相手が自分をまねしていることに気づいた人はいなかった。
「話し上手の(に)聞き下手」とのたとえがある。自分ばかり一方的にまくしたて、他人の話を聞こうとしない人は、結局、相手の本意がつかめない。そればかりか、その相手に好きになってもらえない。
意思の疎通がはかれない時、とにかく相手のペースに合わせて、場合によっては、相手の言動をまねて話してみよう。やがて、話のリズムが合うようになり、相手に好きになってもらえるだろう。
相手の言動に合わせるということは、思いやりに通じる。会話の上手な人には、多くの人が気づかない、こんな思いやりがあるのである。