“ねこ背”で自律神経も乱れる? 姿勢を改善する「背伸び」のコツ
2022年09月20日 公開 2024年12月16日 更新
ねこ背は見た目の悪さだけでなく、肩こりや頭痛、腰痛などの不調を招く原因に。でも驚くことなかれ、「背伸び」をする、たったこれだけでねこ背は治るといいます。仲野整體東京青山院長・仲野孝明氏が詳しく解説します。
※本稿は、月刊誌『PHP』2022年10月号掲載記事を転載したものです。
「ねこ背大国」の日本
日本は、ねこ背大国といわれています。といっても正座やあぐらで食事をし、布団を敷いて寝ていた明治時代ごろまでの日本では、自然と正しい姿勢がとれていました。
今は椅子やソファーに骨盤を倒して座わり、背中を丸めてパソコンやスマートフォンを操作する生活。こんな生活を続けていたら、ねこ背になるのは当然です。
また、人間は本来「立つ」動物で、人の体の骨格は「座る」には適していないため、座ること自体が体の負担になります。座ることは体を休めることと思われがちですが、本来は逆。むしろ座る機会を減らし、正しい姿勢で立っているほうが健全なのです。
肩が前方に出て内側に丸まっている「巻き肩」や、本来ならカーブを描く首の頸椎がまっすぐになっている「スマホ首」も現代の生活様式の影響によるものです。
ねこ背は心身の不調の原因にも
なぜねこ背が不調の原因となるのでしょうか? 背骨の役割は、体を支えたり、動かしたりするだけではありません。背骨は「椎骨」という小さい骨のブロックが積み重なってできています。
背骨の中は筒状になっていて、脳からの指令を伝える神経が背骨の中を通って枝分かれして、目、口、肺、心臓、肝臓、胃、腸など体中の部位につながっているのです。
背骨がゆがんだり、曲がったりすると、神経が圧迫されて脳と各器官との情報がうまく伝わらなくなります。その結果、数々の不調が現れます。また、背骨がゆがむと全身のバランスが崩れ、下半身への負担がかかってひざ痛や足の痛みなどを起こします。
血流が悪化し、疲労物質がたまって疲れやすくなり、自律神経のバランスが崩れてイライラや気分の落ち込みが起こるなど、心の病につながることもわかっています。
【ねこ背はこんな症状が出やすい】
・気分の落ち込み、イライラ
・頭痛
・目の疲れ
・首こり、肩こり
・息苦しさ
・動悸、息切れ、めまい
・腰痛
・慢性疲労
・便秘、下痢
・ひざ痛
・むくみ、だるさ
・外反母趾、タコ