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子どもを伸ばす「質問」の力

マツダミヒロ(質問家)

2011年02月05日 公開 2022年10月26日 更新

 

質問は親子が一緒に考えるためにある

実際に、子どもを前にして質問をしてみると、意外な反応に戸惑うこともあると思います。ここでひとつ、私(マツダ)がある中学校で授業をしたときの体験を紹介しましょう。

「自分の夢をかなえるために、今週できることはなに?」
こんな質問をして、答えを紙に書いてもらおうとしました。

すると、ある女の子は言いました。
「わかんなーい」
その答えを一瞬、心の中で受けとめてから、私はその子どもに言いました。

「じゃあ、わかんないって書いていいよ」
すると驚いたことに、その子は、「やっぱり書く」と言って、書き始めたのです。

もし、このとき、「わかんないじゃなくて、ちょっと考えなさいよ」と言っていたらどうだったでしょうか。おそらく、その子は守り(防御)の姿勢に入ってしまったでしょう。「だって......」と、いいわけが返ってきたかもしれません。

「そうか、この子は今、わかんないって思っているんだ」
まずは、「気持ち」、そして「状況」を受けとめたことが、その子にも伝わったのだと思います。だからこそ、「わかんないって書くのは悔しいから、やっぱり書こう」という気持ちが引き出されたのではないでしょうか。

親子の会話というものは、相手の言葉にボンボンとすぐに「反応」してしまいがちです。でも、質問は答えを引き出すものではなく、一緒に考えるものです。

そのためには、相手の言葉をいったん受けとめることが必要です。相手の言葉に、うん、とうなずく。一呼吸ゆっくり吐くような気持ちで、会話の「間合い」を取るとよいでしょう。

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質問は、「誰が言うか」が決め手

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