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知識も人脈もあるのに、なぜ成功しない? 人間関係を整理すべきサインとは

菊原智明(営業サポート・コンサルティング株式会社代表取締役)

2025年06月24日 公開

知識も人脈もあるのに、なぜ成功しない? 人間関係を整理すべきサインとは

あなたは、次のような日々を送っていませんか?
・とにかく時間が足りない
・サボっているわけではないのに仕事が溜まっていく
・いつも何かに追われている気がする
・プライベートの時間がとれず充実感がない

そんなあなたのために、自らトライ&エラーを繰り返しながら身につけたという"時間術"を営業サポート・コンサルティング株式会社代表取締役の菊原智明さんに解説して頂きます。

※本稿は、菊原智明著『コンサルが密かにやっている うまくいく人の時間の使い方』(総合法令出版)の一部を再編集したものです

 

“無駄な人脈”をアンインストールして身軽にする

以前、長年愛用しているノートパソコンの調子が悪くなったことがありました。パソコンに詳しい人に見てもらうと「このパソコンはいろいろなソフトをインストールしすぎです。だから動きが遅くなってしまうんです」と原因を教えてもらいました。

その後、20個以上の必要のないソフトをアンインストールしたところ、以前よりずっと動きが良くなったのです。
この動きが良くなったノートパソコンを操作しているとき、ふと「人脈を広げすぎたりして動きが悪くなっている人たち」を思い出しました。

ビジネスをする上で人脈を広げることは良いことでしょう。しかし、広げすぎて動きが鈍くなっている人も少なくありません。

私は、独立した当初、人脈を作ろうとさまざまなイベントや集まりに参加していました。そういった会に参加していると"どの会に参加しても顔を出している"という人に出会います。聞けば「月に10回以上は参加していますね」と言います。

人脈はすごいものの、話をしてみると、実際はどんなビジネスをやっているのか分からず、なんの結果も出していません。当時は「知識も人脈もあるのにどうして成功しないのか?」と不思議に思っていたものです。

こういった人たちは、交流関係を広げ過ぎたことで"自分にとってどの人が大切なのか"が見えなくなっているのです。
はじめのうちは人脈を広げることも大切なことかもしれません。しかし、ある程度のところで見極め"重要な2割"に絞った方がいいのです。

あなたも「この会に参加していてメリットがあるのかな」と疑問に感じる集まりに参加したことなどあるのではないでしょうか。

私は過去に東京で夜に行われていた集まりにいくつか参加していたことがありました。群馬県から東京に行っていたのですが、やはり往復の時間がかかり、夜遅くまで飲めば翌日にダメージが残ります。なんだかんだとかなりの時間を浪費します。

あまり意味のない集まりばかりで、参加していて「毎回同じことをしているし何の成長もない」と感じ、その後いくつかの会とは徐々に距離を置くようになりました。
これで大幅な時間を生み出すことができたのです。

ぜひ一度、今までの人脈、人間関係について"今後どうするのか"考えてみてください。本当に大切なものに絞り込み、身軽になりましょう。そうすることで、使える時間が大幅に増えるのです。

 

悪影響を及ぼす腐れ縁の友達と思い切って決別する

誰にでも切っても切れない関係というものはあるでしょう。

「なんだか知らないけどもう20年も付き合っている」という人が、あなたの周りにも何人かいるのではないでしょうか。同級生、同期、友人、会社の仲間、上司、先輩、後輩...。その人がいい影響を与えてくれる人なら何の問題もありません。これからもずっとお付き合いしていけばいいのです。

しかし、付き合っている人たちから悪い影響を受けているようなら、一度付き合い方を考える必要があります。

私には腐れ縁の友人がいました。彼はもともとイジケ体質で、どんなことに対してもマイナスに考えるクセがありました(私も似たようなものでしたが...)。

彼は会うたびにネガティブ度合いがグレードアップされ、さらに嫌味っぽさが強くなっていきました。よっぽど仕事にストレスを感じているのでしょう。誰に対してもひねた嫌味っぽい言い方をするようになってきたのです。それまでは"それが彼だから"と受け入れていました。

ただ、長い付き合いだったものの、さすがに会うこと自体がストレスになってきたのです。

私はあるときから"ちょっと距離を置こう"と決め、彼との付き合いを減らしました。最終的にはきっぱりと切ったのです。彼からはもちろん、そのグループからも一切何も誘われなくなりました。一時的に寂しかったものの、今では本当に良かったと思っています。

さらに私は、同じ会社でよくつるんでいた愚痴の多い先輩からの誘いも徐々に断るようにしました。会社では完全に縁を切る事はできませんが、時間をかけながらプライベートでの縁は切ったのです。その後、どうなったと思いますか。それまでの人脈は失いましたが、かわりに自由な時間を手にすることができたのです。

先輩との付き合いでは、無駄な時間、無駄な金、無駄な体力を使ってつるみ、先輩は夜遅くまで酒を飲みグダグダと愚痴を言っていました。ある意味私はわざわざ人生を台無しにするような事をしていたのです。

これをやめただけでも私にとっては非常に大きい影響がありました。この時間をもっと有益な時間にあてることができたからです。

いい事はこれだけではありません。悪い人との関係を断ち切ることで、もっと有益な人脈を作ることができました。新しい人たちと付き合うようになって、非常にいい影響を受けます。もし、あのとき悪い影響を及ぼす人との関係を断つという決断をしていなかったら、今でもダメ人間のままだったでしょう。

自己啓発の本にはよく「何かを手放さないと、新しいものは手に入らない」と書いてあります。両手がふさがっている状態で新しいものをつかむことはできません。

テレビ番組などで恋愛相談をしているシーンを見ることがありますが、ほとんどの場合、悪いパートナーとの縁を切れないと言います。暴力を振るうパートナーに対してもです。こういったケースは本人が「この人とは別れられない」と思い込んでしまっているようです。いわゆる依存の関係です。このように長くなればなるほど、関係を切ることが難しくなります。

しかし、悪いパートナーと別れる決断をしなければ、その地獄からは一生抜け出せません。

「悪い影響を及ぼす人と過ごす時間が一番の時間の無駄である」と認識しましょう。
仕事上では付き合わなくてはならない場合もありますが、プライベートまで付き合う必要はありません。

いきなり関係性を切るのが難しいのであれば、徐々に会う頻度や連絡をとる頻度を下げていくのでもかまいません。最終的にマイナスの影響のある人との関わりを絶つ。

そうすることで時間が生まれ、そして素晴らしい人たちに出会えるのです。

著者紹介

菊原智明(きくはら・ともあき)

営業コンサルタント/営業サポート・コンサルティング㈱代表取締役

1972年、群馬県生まれ。大学卒業後、トヨタホームに入社。クビ寸前のダメ営業マン時代を経て、顧客へのアプローチ方法を変えたことをきっかけに4年連続トップの営業マンに。2006年に独立し、現在は、企業研修や経営者や営業マン向けのセミナーなどを行なう。著書に、『<完全版>トップ営業マンが使っている買わせる営業心理術』(明日香出版社)など。

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