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東京から中国人が消えた…それでもマンション価格が下がらない「3つの地区」

2019年12月26日 公開

渡邉哲也(経済評論家)

 

ハワイで見えた"バブル崩壊"の前兆

以前、中国人がホノルルの不動産を大量に購入していたことが問題になっていた。しかし、中国のバブル崩壊で徐々に情勢は変わりつつある。

中国経済の発展の象徴である深圳もかなり悲惨な状況で、建てられたマンションが空き部屋だらけの状況と言われて久しい。

極論すれば14億人しかいない国土に32億人分の物件を供給した供給過剰の状況であれば、不動産バブルが弾けるのは当然の帰結。かなりの数の不動産会社が倒産に追い込まれ、連鎖鎖して銀行も潰れている。2019年5月には、内モンゴル自治区の包商銀行が経営破綻し、公的管理下に置かれた。

1980年代の日本のバブル経済時には、日本人もアメリカの不動産を多く購入したが、結局はバブル崩壊とともにほとんどを手放すことになった。中国も同じ道程を歩んでいる。

それを象徴的に示すのが、2019年8月末で北京−ホノルル便がなくなったというニュースだ。ホノルルのコンドミニアムはバブルの末期、日本人が6〜7割保有していたと言われている。それらはバブル崩壊後に売却された。ここ5年ぐらいは、ハワイへ行くと中国人ばかりで、ホノルルのマンションも多くは中国人が購入していた。

しかし、バブル崩壊で購入できる能力が一気に低下。それに合わせて旅行客も減少し、採算が合わなくなり、ハワイアン航空が北京との直行便を廃止し、各社も撤退を開始した。

最後まで残っていた中国国際航空の直行便も2019年8月27日で終了。中国からのホノルル直行便は上海発が残ってはいるものの、首都北京からの便は終わってしまった。

 

これから始まる海外資産の没収

OECD(経済協力開発機構)では、国際的な脱税を防ぐために、非居住者の金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準であるCRS(共通報告基準)が公表され、各国がその実施に同意している。

この基準に基づき、各国の税務当局は非居住者が保有する金融口座情報を、その非居住者の居住地国の税務当局に提供することになった。

中国では2018年9月にCRSが実施されたことで、中国政府は中国人の海外での不動産購入情報を直接把握できるようになった。2010年代から中国では、海外への資金の移動に上限が設けられていたにもかかわらず、中国人はなぜか不動産を買い続けていた。

2017年からは、不動産購入名目での海外送金が禁止されている。規制により買えるはずがない不動産が、闇市場で買われていたからである。

こうした動きは中国政府からは見えなかったが、CRSによる情報交換で実際に見えるようになった。そのため中国としては、バブル崩壊で破綻した個人の海外不動産の没収を進めていくと予想されている。外貨準備が減っても、没収した海外資産で補えるという側面もある。

中国の場合、外国で稼いだ資金は、国有銀行に米ドルで入る仕組みになっている。ところが、国内企業がそれを下ろす場合は、人民元しか使えず、国内で米ドルを下ろせない。そのような構造のため、外貨準備に国有銀行保有分の外貨もすべて含まれている。

こうした中国の経済政策は、国民に対してかなり強圧的であり、そのため、地方政府による乱脈ぶりが目に余るかたちになっている。中央政府がプラットフォームを作っており、税収をすべて持っていく。

そこで、地方政府は不動産の使用権をデベロッパーに売り、その差額を手にする方式を取ったが、この手が成立しなくなってしまった。

外貨のコントロールに関しても、人民元が対米ドル相場で7元を割り込むというかたちとなり、中央政府の為替介入圧力も効かなくなってきている。

このままでは、人民元が半分以下に減価したときに、海外投資は不可能になるのは明らかである。逆の立場で考えると、人民元建て融資で借りている企業・個人は、何もしないうちに借入金が少なくなっていくという恩恵を受けることになるだろう。

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