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部下が言うことを聞かない…上司が見直すべき「3つの習慣」

HRインスティテュート

2020年09月23日 公開 2023年01月05日 更新

HRインスティテュート

雑用ばかりでは若手のモチベーションが高まるわけがない

【習慣(2) 部下の「仕事をつくる」習慣】

部下が最も成長するのは職務遂行を通じてであるということは忘れてはいけません。上司は「業績達成」と「人材育成」を別々に実施するのではなく、両者を統合して、職務を通じて部下を育成していくことが求められます。

社内・社外に対し価値を提供できる業務、部下本人が「やってみたい」と思える業務、部下の新キャリアにつながる業務などを総合的に判断して、上司が部下の活躍の機会を増やすことで、会社としての生産性も上がり、部下育成にも繋がります。

特に新人・若手の場合は、重要なプロジェクトを担当させるにはまだ知識・経験が足りないという理由から、仕事を与えられず、社内に居場所がないと悶々とするケースをよく聞きます。結果、若手は活躍の場を外に求めて早期離職してしまうことも少なくありません。

例えば、IT系企業の開発部署などにおいて、若手人材の技術力が低く、顧客向けに品質が担保されないという理由から、本業の開発の仕事を振られず調整や雑用ばかりしているなどの実態もあります。

そうした場合、上司としては、顧客向けの開発業務だけにスポットを当てさせるのではなく、顧客向けの開発業務がスムーズにいくような業務を新たに与え、新しい仕事をつくることで部下のモチベーションを上げることもできます。

社内向け開発業務などを割り振って、いざ社外向けの仕事をとなった時の準備をさせておくなどのやり方もできます。

一つの物差しで業務を捉えさせるのではなく、価値の発揮場所、それに合わせた評価の仕方は複数あるということを示すことで部下も安心して働けるようになるのです。

 

必要なのは「自分も部下に育てられている」という意識

【習慣(3) 部下に「共感し、共感を呼ぶ」習慣】

これからの時代はIQ(=知能指数)の高い上司だけではなく、HQ(=Humanity/Hyper-Quotient、人間らしさの知能指数)、EQ(=心の知能指数=自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指す)の高いリーダーが選ばれていくといわれます。

AIの進化により、IQの高さを武器にする仕事は、AIに任せていけばいいといわれるようになりました。我々はAIにはできない人間だからこそできる強みにフォーカスして仕事を行っていく必要があります。

その一つが「共感」をするということです。相手の感情に関心を向けて、対話をしながら相手へ入り込んでいきます。また、上司が部下に共感を示すと同時に、部下からも上司に「共感をしてもらう」ことが求められていきます。

「相互の共感」です。相手の意見には同意できなくても、なぜそのような考えに至ったのかの背景を理解・共感するということが重要です。

共感ができない人は、「意見に同意できなければ共感は難しい」と思い込んでいる人が多いですが、そうでなくとも共感は可能です。ポイントは「意見に同意する」のではなく、相手の発言の背景やスタンスを理解するということです。

共感を表すには、「それをいいたい気持ちはよく分かるよ」「〇〇さんの立場に立つと発言は理解できるなあ」などのフレーズを使います。相手の気持ちを、あたかも自分が感じたかのごとく捉え直して伝えることです。

重要なことは表面的にではなく心からの共感を行うことです。できることなら、部下にも同じことを実施してもらい、相互に共感し合えるように努めていくことが大切です。

日々、忙しくしているマネージャーもスーパーマンではありません。したがって、「〇〇マネージャー、今回のXXの件大変だっただろうな」「深夜まで時間を使って部下フォローをしていてすごいな」など、共感・理解をしてもらうことも時には重要でしょう。

上司として強い部分ばかりを見せるのではなく、ここぞという時に、ぽろっと弱みを出すことで、部下の共感は増すでしょう。もちろん、普段から信頼される仕事をしていることが前提にはなりますが、人間らしさや人となりを存分に出して応援される上司は、周囲の共感を誘います。

このように「人を育てている上司」は、実は「部下に育てられている」という側面もあります。「あの上司を、本物のリーダーにしてあげたい」「リーダーとして一旗あげさせたい」と思わせてくれるリーダーがいる、そこまでの存在が組織の中にいることは、部下にとっても幸せなことなのです。

お互いに共感をし合い、お互いが必要な存在であってほしいと思います。

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