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大学教授が答える「空中に浮いてる間に地球が回ったら海外に着地できる?」

2021年10月13日 公開

石川幹人(明治大学教授)

空

「なぜ穴を見るとのぞきたくなるの?」「普通って誰が決めるの?」「怖い夢をみないようにはできないの?」――子どものころ、こんな疑問を持ったことはないでしょうか。その疑問、学者が本気で回答します!明治大学教授で認知心理学、進化心理学の第一人者の石川幹人氏が実際の小学校6年生まで子どもたち、または大人が子どもだったころに抱いていてた疑問・難問に全力でお答えました。

本記事は『なぜ、穴を見つけるとのぞきたくなるの?』(朝日新聞出版)からの一部抜粋です。

 

もし空中に浮いている間に足の下で地球が回ったら海外に着地できる?

浮いている人が地球と一緒に回転してしまうとダメだけど、ジェット気流に乗れば、行けるかも…。例えば電車に乗っているときに、ジャンプしてみたことはありませんか?

「ジャンプしている間に車体は前に進むけれど自分は進まないので、ジャンプが終わって車体に着地したときには、ジャンプを始めた位置よりも後ろになるはず…」

そう考えてじっさいにジャンプしてみても、ジャンプした位置と着地した位置が同じでがっかりした人は多いでしょう。ジャンプしても移動しないのには、二つの理由があります。「空気の影響」と「初速度」です。

まず空気の影響からお話しします。電車が走っているときには車体が前に進むだけでなくその中にいる乗客(もちろん運転手や車掌もですが)や空気も前に運んでいます。だからジャンプをしても空気と一緒に前に運ばれてしまうのです。

たとえば、車体に覆いがないトロッコ列車に乗っていると想像してください。その列車が高速で走ると、乗っている私たちに外から風が強く吹きつけて、手すりを握っていないと飛ばされそうになりますね。

これは、覆いがある場合と違って、車体と一緒にその中(列車の床の上方の空間)に存在する空気を運んでいないからです。

 

前方にジャンプしないと意味がない

このときに先ほどのジャンプ実験をすると、空気の影響を受けて着地点は少し後ろに移動します。ところが、列車の外からだと、列車と一緒に前方に運ばれているように見えます。

列車に乗っている人は上に向かってジャンプしているつもりなのですが、ジャンプしたときにはすでに車体の影響で前に向かって勢いがついていて、じっさいには斜め上方にジャンプしているのです。列車に乗っていない人から見ると、それがよくわかります。これが「初速度」の効果なのです。

つまり、ジャンプしたときの速度が上向きではなく、かなり前方に向かって勢いがついていたにもかかわらず、その勢いに気づいていないので「列車だけが前に行くはずだ」と誤解が生じるのです。

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