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これって認知症?「何度も同じことを聞いてくる母」との上手な付き合い方

2021年12月06日 公開

佐藤眞一(心理学者・医学博士)

佐藤眞一

最近、前よりも物忘れが多く、怒りっぽくなってきた…。そんな症状が出てきた親を、どう受け止めたらよいのでしょうか。

心理学者で、老年行動学の研究者でもある佐藤眞一氏にお話を伺いました。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2021年11月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

どこまでが老化?どこからが認知症?

「顔は出てくるんだけど名前が思い出せない!」。このような物忘れは、歳をとれば誰にでもあることです。どこが老化と認知症の境界なのでしょうか? その判断は難しいものです。なぜなら、認知症の最大の原因は老化だからです。

そもそも「認知症」とは病名ではなく、症状のことです。〔1〕何らかの脳の疾患により、〔2〕認知機能が障害され、〔3〕誰かの支えがないと生活が困難になる。この3条件が揃そろっていることが「認知症」の定義です。

よって、生活に支障がなければ「認知症ではない」と診断されることがありますが、生活に支障が出る頃になると、かなり認知症が進んだ状態になっています。

 

心配する気持ちをはじめの一歩にする

認知症予防には、次の2つの方法が有効といえます。

(1)認知症予防外来(精神科や神経内科)に通う
(2)加齢による身体的虚弱や筋肉量低下を防ぐ

まず、(1)では、物忘れレベルから診療を受けられ、必要に応じて軽度の認知症(MCI)との診断をしてくれます。次に、(2)は、認知機能低下と老化の予防につながります。高齢になると、散歩に行くことすらままならなくなることがあります。

65歳以上のご家族でしたら「地域包括支援センター」に相談し、理学療法士さんなどのサポートを受けることもできます。私は長年、認知症の事例を研究してきましたが、近年は2000年に施行された介護保険制度によって、認知症介護の現場は劇的に変わってきたと感じています。

施行前はかなり大変な状況でしたが、現在はそんなにこわがることはありません。認知症の専門家のサポートを受けやすい状況になり、施設も増えてきているので、ぜひ1人で抱え込まずに他人の手を借りることも考えていただきたいと思います。

私の父親も施設に入ってからのほうが、栄養状態もよく、よくしゃべるようになりました。はじめの一歩を踏み出すのは何事にも勇気がいるものです。でも、まずは認知症予防外来に親と一緒に行ってみるなどの行動を起こすことによって、はじめてわかることもあります。

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CASE1:父親があまり外出しなくなり、趣味の碁会所にも行きません >

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