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月曜午前ですべては決まる! 朝のスタートダッシュが上手な人の「8つの習慣」

石川和男(時間管理コンサルタント)

2022年05月15日 公開 2023年09月05日 更新

 

7. 最優先の仕事は朝イチでやらない

ここまでは、朝起きてから出勤するまでの習慣ですが、出勤してからの時間の使い方はどうでしょうか。

7つ目の習慣は、意外かもしれませんが、「いきなり優先順位の高い仕事からやらない」ことです。

締切の迫っている仕事があって、出勤直後からエンジン全開で取り組めるという場合はもちろんそうしていいのですが、通常はなかなかそうもいきません。運動と同じで、ウォーミングアップが必要です。

優先順位の高い仕事に向かって弾みをつけるために、軽い仕事やルーティンワークから始めましょう。

私の場合は、毎朝ウォーミングアップとして15分間、「今日やることの確認」「株価動向チェック」「建設新聞に目を通す」「メールチェック」といったことを行なっています。

建設新聞は業界紙ですが、じっくり読むのではなく、見出しにさっと目を通す程度です。大きな動きがあれば読みますが、たいていは何か起きているかどうかを小見出しでチェックするだけです。メールチェックでは、件名を見て緊急、もしくは重要なメールにのみ、まずは返信します。

このように、ウォーミングアップの一つひとつは小さい仕事ですが、たくさんやっていると、いつの間にか1時間2時間と経ってしまうものです。「15分間だけ」などと時間を決めて、一通りやったら、優先順位の高い仕事に移るといいでしょう。

休み明けは何かと雑務が溜まりがちなので、月曜だけは30分などいつもより時間を長めにとってもいいかもしれませんが、あくまでウォーミングアップ。午前中の集中力の高い時間を、お客様との折衝など優先順位の高い業務に使えるよう、ある程度の時間で切り上げるように注意しましょう。

 

8. タスクは全部1カ所にまとめて管理

最後に、毎日のタスクを効率よくこなすためにお勧めしたい習慣が、「やることをノートに全部書き出すこと」です。ノートでも手帳でもスマホのスケジュールアプリでもいいのですが、大事なのは、「やることがすべて1カ所にまとまっていること」です。

あるタスクは手帳に、あるタスクはスマホに、また別のタスクはパソコンに貼りつけたフセンに、と散漫になっている状態は避けましょう。

すべてのタスクが1カ所にまとまっていることで、仕事の総量が把握しやすく、すぐやらなければならないもの、人に任せるべきもの、先送りしてもいいもの等の優先順位もつけやすくなります。

私は35行の大学ノートを毎日見開き2ページ分使い、タスクを思いつくままに書いて、終わったら赤丸をつけていっています。私自身は手書きがしっくりくるのでノートを使っていますが、タスクをまとめて管理できるのであれば、デジタルツールでもいいでしょう。

逆にお勧めできないのがフセンです。フセンは、一見わかりやすいようですが、実は見慣れやすく、貼ってあるのに忘れてしまうということが起きがちです。また、タスクが完了してフセンごと捨ててしまうと後から見返すことができないのもデメリットです。

ノートを書くタイミングは朝に限らず、思いついたらその都度です。今日やらなくてもいいことは、翌日のページにあらかじめ書くこともあります。仕事に関するタスクばかりでなく、「公共料金を支払う」「荷物を発送する」といったプライベートのタスクもまとめて書いています。

頭の中には絶えず色んなことが思い浮かびますが、その都度書き出すことで、安心して一旦忘れられます。「何か忘れてるような気がするんだよなあ」というもやもやに脳のリソースを使うことなく、クリアな頭で目の前の仕事に集中できるのです。

集中して生産性高く仕事に取り組むためには、リズムに乗り、それを乱さないことが必要です。特に月曜の午前中に勢いがつくと、1週間波に乗ることができます。月曜の朝を大事に過ごして、1週間、1カ月、1年、そして人生を変えていきましょう。

 

午前中を制する者は人生を制する

月曜に特化したことではありませんが、朝の時間はとても大切なので、毎日早起きすることをお勧めします。

私はいくつもの仕事をしながら年に何冊も本を執筆していますが、出版が決まったら毎朝5時に起きて、出勤前に原稿を書くようにしています。8時に準備を始めれば出勤には間に合うので、だいたい3時間ほどです。

出勤前の時間を執筆に当てる理由は、夜は時間がたくさんあるような感覚になってしまい、なかなか取り組めないからです。ご飯を食べてから、ちょっとお酒を飲んでから、この番組が終わってから...とやっているうちに、眠くなってしまいます。

しかし朝なら、出勤の準備をするまでという明確な期限が決まっているので、〆切効果が発揮され、集中しやすいのです。急な会食が入ったり、残業が発生したりして予定が立てにくい夜と違い、朝は自分さえ起きられれば邪魔が入らない時間でもあります。

また、集中力は朝から夜にかけてだんだん落ちていくものなので、同じ1時間でも朝7時から8時と夜の19時から20時では生産性がまったく違います。

このように、朝には様々なプラスの効果があるので、月曜に限らず朝の時間を有効に使うことが大事だと思います。

まずは月曜の朝だけは早起きをしようと決めてみるといいのではないでしょうか。

 

【プロフィール】
石川和男(いしかわ・かずお)時間管理コンサルタント

建設会社役員・税理士・大学講師・時間管理コンサルタント・セミナー講師と5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。1968年北海道生まれ。大学卒業後、建設会社に入社。深夜残業ばかりの日々に嫌気がさし、一念発起してビジネス書やセミナーでの学びを通して、タイムマネジメントのノウハウを獲得。成果を下げずに残業を減らす仕事術を確立した。『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)、『仕事が速い人は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)など著書多数。

(※『THE21』2022年3月号特集「【シーン別】仕事が速い人は、『これ』しかやらない」より)

 

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