疲れない身体を作る食習慣のポイント
【1】1日1食だけ糖質を控えよう
糖質制限は、炭水化物や甘いものを控えることによって血糖値の上昇と内臓脂肪の蓄積を防ぐダイエット法です。
確かに肥満や糖尿病を防ぐ方法としては効率的ですが、過剰に行なうとかえって栄養バランスを崩す可能性も。
そこでお勧めなのが、3食のうち1食で糖質控えめを意識する「プチ糖質制限」。
朝ならパンやご飯の代わりに卵やサラダ、ハムなどと野菜ジュース。昼なら、コンビニの野菜サラダと生姜焼きを組み合わせるなど、ご飯もの抜きでも満腹感を得られる食べ方をします。
こうして糖質を「1食ぶん」だけ控えることで、ストレスも少なく、カロリーも結果的に抑えられたヘルシーな食事ができます。
【2】生魚を食べてEPAを摂ろう
動脈硬化なとのリスクを図る指標として近年注目されているのが血中脂肪酸の「EPA/AA比」です。EPA(エイコサペンタエン酸)の比率が、AA(アラキドン酸)に対して高いほどベター。
EPAやDHA(ドコサヘキサエン酸)は善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らす効果があるため、肥満や血管病の予防に効果を発揮します。
AAha肉類、EPA・DHAは魚介類に多く含まれるので、魚を食べる回数を意識的に増やすよう心がけましよう。
ただし、フライにするとEPAは流れ出てしまいます。揚げるよりは焼く、焼くよりは生で食べるのが良い方法です。刺身やカルパッチョにして、良い脂を効率的に体内に入れましよう。
【3】お酒はビールなら中瓶1本まで
お酒を飲む際は、「何を飲むか」より、「量」がポイント。1回当たりの適量には個人差がありますが、男性の平均的目安としてはビールなら中瓶1本、日本酒なら一合、ワインならグラス2杯程度。この目安を超えたら、その後数日は飲まないようにして肝臓を休ませること。
つまみの選び方もポイントです。揚げ物よりは焼き物を選ぶことに加え、炭水化物を避けることも大事。たとえば、おでんのタネなら、ちくわやはんぺんなどの練り物ではなく、大根やこんにやくを食べましょう。
緑黄色野菜は抗酸化作用があるので積極的に摂ると良いでしょう。白ワインと野菜スティックを組み合わせると、赤ワインでポリフェノールを摂るのと同じ効果があります。
【4】夜遅くお腹が空いたらスープがお勧め
深夜まで仕事をしてから帰宅、あるいは一杯飲んで帰宅し、寝る前にお腹が空いた……などというとき、最も選んではいけないのが炭水化物。口にすると血糖値が跳ね上がります。
さらに悪いのは「締めのラーメン」。脂肪を溜め込みやすい深夜に、脂質と糖質をふんだんに取り込んでしまい、自殺行為です。
ここは水だけ飲んで寝るのがベストですが、どうしても何か食べたい場合は「スープ」がお勧めです。
ただし炭水化物を含むポタージュスープではなく、コンソメスープやミネストローネにしましょう。味が物足りない場合は、とろけるタイプのチーズを加えると適度な満腹感を得られるでしよう。
【池谷敏郎(いけたに・としろう/池谷医院院長/医学博士)
1962年、東京都生まれ。1988年、東京医科大学医学部卒業。東京医科大学病院勤務を経て、1995年、池谷医院内科・循環器科勤務。1997年に理事長兼院長に就任。臨床のほか、『いっぷく!』「駆け込みドクター!運命を変える健康診断」(TBS系)『世界一受けたい授業』(日本テレビ)などのTV番組出演、雑誌や新聞への執筆や講演でも活躍中。『そんなにガマンしなくても健康診断A判定は取り戻せる!』(すばる舎)ほか、著書多数。