エクセルで“ビジネスデータ分析”を行う
2011年08月02日 公開 2024年12月16日 更新
Excelが使えるのはデータ分析だけではない。プレゼンやアイデアプロセッサー、さらにはロジカルシンキングにも使え、説得力・問題解決力まで高めることができる万能のビジネスツールなのである。
本稿ではマイクロソフトのセミナーで受講者評価No.1の人気講師・住中光夫氏がデータ分析とはそもそも何か、そしてExcelの有効な使い方について紹介する。
※本稿は、住中光夫著『エクセル10倍活用術』(PHPビジネス新書)より一部抜粋・編集したものです。
データ分析とは
「分析」とはどういうことを行うことでしょうか。分析の「析」とは、木を斧でバラバラに切り分けることです。分析とは物事を要素に切り分け、その要素の性質や特性、構成などを区分けして明確にすることです。
よく似た言葉に「解析」というものがあります。解析とは、物事を細かく分けて、その内容を論理的に組織的に構造的に解き明かしていくものです。英語ではどちらもanalysisと表記します。
今回のデータ活用における分析や解析を次のように解釈してみます。データをいろいろな観点で分ける(分析)と、そのデータの実態が解り(解析)、そして意思決定に利用できる情報が判る(判定・判断・判別)ようになる。
これらのことから、データ分析とは「細かに分けられた多量なデータを利用して、いろいろな分類や集計等を行うことにより、それらの持つ性質や傾向や特性を論理的かつ構造的に解き明かすもの」と定義します。
Excelは立派なBIツール
ビジネスでは、多量なデータを元にした情報や資料をいろいろな場面で利用します。販売システムや会計システムなどから、定期的に作成される各種の定型帳票や定型グラフなども重要な情報です。しかしこれらの定型情報には、自由な観点であれこれと見たり分析したりしにくいという問題点があります。
そこで、もともとある多量な情報からビジネスに役立つ情報を取り出し、ビジネス活動に活かそうという考え方がビジネスインテリジェンス(BI)と呼ばれるデータ分析の考え方です。このビジネスインテリジェンスでは、数万から数百万件にも及ぶ多量なデータ分析を、BIツールと呼ばれる分析ソフトを利用して行います。
実はExcelはこのBIツールの代表的なものです。Excelはデータベースの数百万件の多量なデータや、数万数十万件のワークシート上のデータを素早く分析する機能を持っています。
それがピボットテーブルという機能です。ピボットテーブルは、これらの多量なデータを瞬時に集計したりグラフにして、データ分析を行うことができます。