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ニトリが「お、ねだん以上」を実現できた、知られざる裏側

永井孝尚(マーケティング戦略コンサルタント)

2018年12月10日 公開 2019年04月03日 更新

コストを下げるための2つの戦略

安く売るためには、コストを下げることだ。

そこでニトリは、2つのことを徹底的に追求することにした。「規模の経済」と「経験曲線」だ。

規模の経済とは「たくさん作れば作るほどコストが下がる」という考え方だ。

なぜコストが下がるかというと、まず商品1個あたりの固定費が下がるからだ。

ニトリが工場を月100万円で借りて、家具を作るとしよう。この工場家賃の月100万円が固定費だ。

この工場で家具を月100個作れば、家具1個あたりの工場家賃(固定費)は1万円だ。しかし月1万個作れば、100円に下がる。このように家具をたくさん作れば作るほど、商品1個あたりの固定費が安くなり、コストが下がるのである。

さらに家具をたくさん作れば、仕入れ業者から原材料をたくさん買える。こうなると仕入れ業者はニトリを大切にするので、ニトリは原材料の値下げ交渉ができるようになる。

このようにたくさん作ることで様々なコストが下げられるのが、規模の経済だ。

もう1つの経験曲線とは、仕事の経験量が多いと習熟してコストが下がるということだ。

あなたも未経験の仕事をする時、たくさんの量をこなせばこなすほど、仕事のやり方がわかるようになり、要領よく仕事ができるという経験をしたことがあるはずだ。このように、その仕事の経験量が多いほど、効率がよくなり、コストが下がるのである。

たくさん作れば、コストは下がる

ニトリはまずは100店舗を目指し、さらに200店舗を達成。店舗数を増やせば顧客数も増えるので、規模の経済がより効果を発揮できるようになった。

店舗のスタイルも時代とともに変えた。銀座以外にも、新宿、上野、池袋などの百貨店にも出店している。

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ユニクロの服が「安いのに、それなりにおしゃれで長持ち」な理由

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