ニトリが「お、ねだん以上」を実現できた、知られざる裏側
2018年12月10日 公開 2019年04月03日 更新
ユニクロの服が「安いのに、それなりにおしゃれで長持ち」な理由
ここで少し話が変わるが、百貨店などで売っている服の原価をご存じだろうか? 実は定価の2割である。定価1万円の服は原価2000円だ。
百貨店の服は、かなり高い定価が設定されている。
百貨店は問屋を仲介して仕入れており、さらに売れ残りを値引き販売したり廃棄することを前提に、定価を決めている。
一方でユニクロやGAPの原価率は定価の5割。
原価2000円の服を定価4000円で販売している。
問屋や小売を仲介せず、生産から販売まですべてを社内で行い、さらにすべての商品を自社店舗で売り切る努力をしているからだ。
こうすれば商品のやり取りがスムーズになり、ムダがなくなる。さらにたくさん売ることで規模の経済が効くようになり、より低コストに商品を提供できるようになるので、価格を下げられるようになる。このように原材料調達からお客さんに販売する店舗まで、すべて自社で持つ形態を「SPAモデル」(製造小売業モデル)という。
自社で作り、自社店舗で販売することで、消費者にムダなくストレートに届けられるようになり、コストも下がり、よいものを安く提供できるようになるのである。
ニトリも、自社で原料や材料を調達し、商品を開発・生産している。「家具を安く提供して日本人をもっと豊かにしよう」という想いを実現するために、SPAモデルで家具生産から販売まで行っているのだ。
ニトリの安さは、考え抜かれたビジネスモデルによって支えられているということである。