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猫背の人に"うつ"が多くなる理由 ストレスとの密接な関係



2019年01月17日 公開

小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

気づかぬうちに「猫背になる練習」をしてしまっている

人の能力や性格において、環境だけでなく遺伝子の影響は大きいものです。しかし問題は「遺伝子か環境か」という二択ではなく、その両方だということが、最近ははっきりしています。

親子や兄弟が似るのは、同じ遺伝子を持っているからだけでなく、同じ環境にいるからでもあります。病気になりやすい遺伝子を持っていても、発病率は生活によって違います。

思考は伝染する「ある遺伝子が発現するか、しないか」というのは、後天的な環境によって、実は変わってくるのです。

これは「何らかの遺伝子を持っていても、そのスイッチがONにならないと発現しない」と言い換えられます。

この話は非常に面白いので、詳しく知りたい人は『心も体もよみがえる!「遺伝子スイッチ」を切り替える最高の健康法』(辰巳出版)を読んでみてください。ここでは猫背の謎を解くために、かいつまんでお話ししますね。

性格・心理面での遺伝子スイッチの例をあげましょう。ネズミに繰り返し電気ショックを与えると、動かなくてはいけないときに、身体がすくんで動かなくなってしまいます。

繰り返された恐怖により、本来とは違うプログラムへ、脳のスイッチが切り替わってしまうのです。

人間の場合にも、似たようなことがあります。ヘビやクモに対する恐怖症の遺伝子を持っていても、子供のうちは平気な人がいます。しかし繰り返し目にするうちに、ある日突然恐怖を感じるようになる場合があるのです。

運動の才能も同じです。「成功は1万時間の努力から生まれる」という言葉があります。スポーツや音楽など、どんな分野でも練習なしで世界のトップに立てる人はいません。

逆に「プロになるほどの才能はない」と言われた人であっても、必死で練習を積むことによって第一線で活躍できるようになるといいます。

ある運動や芸術に役立つ、いくつかの遺伝子があるとします。それを持っていても、そのスイッチをONにするのは簡単ではありません。一定以上の繰り返しによって、初めてONになるのです。もちろん、どの程度の訓練で開花するかには個人差があるのですが。

なにかの技能のために1万時間の訓練をするのは大変です。しかし一日6時間なら、約4年半。会社や学校に行ったり、家事をしたりする時間は、簡単にそれを超えてしまいます。

猫背という、日常のあり方。そのスイッチがONになり常態化するのは、「猫背になるための練習を、毎日何時間もやっているから」です。

勉強や作業をしやすいように机に向かって前傾して、かつ自分の心にストレスをかけて、猫背 ─つまり戦闘態勢を取れるように、毎日一生懸命努力して、身体を「再プログラミング」してきた結果、あなたは猫背の姿勢を獲得してしまったのです。



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