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なぜ「恋人に見捨てられる不安」から逃れられないのか

2022年03月08日 公開

加藤諦三(早稲田大学名誉教授・ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

 

敵意以外の不安はないか

不安の原因について、隠された敵意以外の原因があるとする主張ももちろんあります。

まず、人間が幼児期から持っている「見捨てられる不安」があります。

子どもが最初に感じる不安は、「落とされること」「置き去りにされること」「捨てられること」であると、交流分析の大家、ウィリアム・ジェームズが言っています。

またボールビーは、「分離不安」ということを言っています。幼い頃に愛着する人物、例えば母親との関係がうまくいっていなかったことが、不安の原因だというのです。

母親との関係について、もう少し説明すると、これはフロムの言う「第一次的絆」のことです。人間は母体の中にいる時は完全に保護されています。 

まさに楽園にいるような状態ですが、その楽園である母体から離れて個人となって孤独になることで、完全に切り離されるわけです。

人間にとって「保護と安全」の願望は何より大切であり、積極的関心を持たれたいという気持ちがあります。しかし、親から積極的な関心を得られず、子ども時代の不安を引きずったまま成長していかなければならない人も、少なからずいるわけです。

しかし、幸せになるためには、いつまでも子ども時代の不安を引きずっていてはなりません。小さい頃の不信感を再現している限り、誰でも信頼関係は築けません。あなたは大人なのだから、信頼できる人を探すことです。これがフロムの言う「第二次的絆」です。これがないと、やはり人は不安になります。

【著者紹介】加藤諦三(かとう・たいぞう)
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。 

 

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