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生き方

僧侶がインドを旅して気づいた「定年後の孤独」に陥らない人の特徴

大愚元勝(住職・株式会社慈光マネジメント代表取締役)

2023年02月03日 公開 2024年12月16日 更新

 

人間が持つ2つの能力をプラスに使う

さてここからは、実際にミドルの方のお悩みにもお答えしてみたいと思います。

Q1.管理職世代のミドルは、将来への不安や仕事でのプレッシャーとどう向き合えばいいのでしょうか?

まず前提として、管理職になれば、プレッシャーを引き受けることが仕事です。立場や給料が上がるということはそういうことです。

そのうえでお話しすると、私たちがプレッシャーに苛まれるのは、人間が他の動物に対して優位性を持つことの証です。私たち人間は脳の発達により、2つの優れた能力を手に入れました。「未来への想像力」と、「過去への記憶力」です。

ところが、これらの能力をマイナスに使ってしまうと、苦しみが生まれます。未来への不安を募らせたり、過去への後悔に苛まれたりするわけです。管理職がプレッシャーに押しつぶされそうになる不安も、未来を憂う妄想がその正体です。

これに対処するには、不安という感情に飲み込まれないようにすることが大切です。想像力と記憶力をプラスに使うことで、過去のデータをもとに未来の可能性を検証するのです。例えば、これまでの経験や経緯、他社事例などを参考に、未来のシナリオを準備することができるでしょう。

徹底的に考え抜いたら、あとは自分のベストを尽くす。これが楽しめるようになったら、プレッシャーとうまくつきあっていけるはずです。

 

部下は上司の「心の姿勢」を見ている

Q2.部下が指示したことを行なわず、日常でイライラします。平常心を保つ方法はありますか?

このご質問もよく受けますね。まず、平常心とは何でしょうか。どんな状態が平常心なのかは、人によって違います。

例えば、普段から戦っている人にとっては、戦闘モードが平常心でしょうね。私の友人はサッカー好きで、東京の人混みで、通行人が皆自分のボールを奪いに来るのを、いかにボールを奪われないようにドリブルするか、そんな想像をしながら東京の街を歩いていると言います(笑)。これが友人の平常心です。

あなたの平常心はどのような状態でしょうか。普段、どのような姿勢で仕事をしていますか。それがあなたの平常心です。つまり、普段から多角的な視点で物事を見たり、成果を意識したりしながら仕事をしている人と、そうでない人とでは、平常心が変わってきます。そして、部下はそれを見ています。

もし部下が上司の指示を聞かないのだとしたら、上司の平常心は部下に尊敬されていない、ということです。

今の若い人たちは、相手の肩書には従いませんが、尊敬する人の言うことには耳を傾けます。いま一度、普段の自分の仕事の姿勢を振り返ってみてはいかがでしょうか。

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「慢」を自覚すれば比較に悩まない

著者紹介

大愚元勝(たいぐげんしょう)

僧侶

佛心宗大叢山福厳寺住職。僧侶・作家・事業家・セラピスト・空手家と4つの顔を持つ。YouTubeのお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」は、登録者60万人を超える(2023年10月現在)。著書に『自分という壁』(アスコム)などがある。

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