「ジジイ文化」「意味不明な上司」を嘆いていた若者も、けっきょくは同化してしまう理由
2018年05月01日 公開 2024年12月16日 更新
“ジジイ”の定義
いつものことですが私が“ジジイ”と書くと、「ジジイ、ジジイ、と失礼なことを言う人の言葉は信じられない」と怒り出す方がいるので、きちんと定義しておきます。
ジジイは年配の男性とは限りません。女性のジジイもいるし、若者にもジジイはいる。そして、おそらく誰もがジジイ的なものを心の奥底に秘めています。
「だったらババアでもいいじゃないか!」と思われるかもしれませんが、その良し悪しはともかく、今の日本の職場ヒエラルキーの上階が「男性」で占められている以上、“ババア”ではなく“ジジイ”と呼ぶことにします。
ジジイは「烏合する」という特性を持ち合わせているので、そこの習慣(=文化)に合わせるのはお手の物です。職場の文化はジジイによって作られ、ジジイ文化は継承され、組織の上に行けば行くほど「前例好き」のジジイたちが幅を利かせます。
ジジイはいくつかの階級に分類できます。
小ジジイ
課長クラスに多いことから、「課長文化」を形成する。
大した業績も出しておらず、“流れ”で昇進した人が多い。
好きな言葉:逆らわない
中ジジイ
部長クラスに多いことから、「部長文化」を形成する。
同期の中でもエリート。この小さな“プライド”を大切にしている。
好きな言葉:危険をおかさない
大ジジイ
役員・社長クラスに多いことから、「社長文化」を形成する。
たまたま若い頃の配属先で、“優秀な上司”に出会い、運良く上り詰めた人が多い。
好きな言葉:既得権益
さらに、小ジジイより中ジジイ、中ジジイより大ジジイほど、“日本社会の文化”の影響が深部まで染み付いています。「女は3歩下がってついてくるもの」と暴言を吐いた社長さんも、「オレの名前を消してほしいなぁ」とぼやいた部長さんも、それぞれの文化に影響を受けていたのです。
※本記事は、河合薫著『残念な職場』(PHP新書)より、一部を抜粋編集したものです。